<「あいの風とやま鉄道」の新駅増設と「鉄道支援道路」の整備>
第3セクター化された在来線の「あいの風とやま鉄道」。富山県では、ある程度の利用者が確保できると言われているが、新駅を増設できれば、もっと利用率はあげられる。特に人口密度が高い「富山高岡広域都市圏」の東富山駅ー西高岡駅間に、新駅を増設させる必要があるだろう。
これからの在来線の有り方として、現状の都市の「点」と都市の「点」を結んでいる状態から、駅と駅の間隔を短くした「帯状」を目指すという考え方をしなければいけないであろう。その為には、鉄道に平行して走る「鉄道支援道路」を整備して、沿線開発の後押しする必要がある。駅の増設は、利用者が、これまで何らかの交通手段で駅へ出ていたという「2次的交通手段」だった在来線を、利用者が直接、駅に出るという「1次的交通手段」に転換することを意味するのだ。
富山県では、あいの風とやま鉄道の新駅設置に関して、基準を設けている。新駅設置の基準は、既存の駅間が4キロ以上離れていること。この基準の算出は、これまでの都市と都市を結ぶアーバン鉄道の考え方、列車の運行スピード確保をしなければいけないというもののままだ。しかし、アーバン鉄道の役割は、北陸新幹線に移行しており、列車の運行スピード確保はもはや必要ではない。あいの風とやま鉄道」を生活鉄道としての役割を担うべきだ。しかも、路線バスが廃止や縮小されている。最寄り駅に向かう場合、沿線住民はバス路線がなくなった事で、車を利用するしかない状況だ。まして、これからは高齢化社会。車を運転できない方が増えてくる。そうなれば、最寄り駅までは歩くしかない。仮に駅間が2キロ以上必要となれば、鉄道路線の中間に位置する住民でも、徒歩で1キロ以上歩く必要がある。鉄道沿線から離れている住民なら、2キロ以上も歩く必要が出てくる。新駅設置の基準、既存の駅間が4キロ以上離れている事では、沿線住民の利便性を十分に確保できないだろう。この基準を緩和する必要がある。せめて、最低でも3キロ以上ぐらいに緩和したいものだ。また、新駅設置の基準では、乗降者数の見込みも必要となっている。高岡やぶなみ駅では、乗降者数の見込みを1日1,600人。富山口駅では、乗降者数の見込みを1日2,500人としていた。この必要とされる乗降者数の見込みも、緩和したいものだ。新駅をつくって、周辺開発を行うのを基本とすれば、乗降者数の見込みを1日1,000人からとしても良いのではないだろうか。
新駅設置には、郊外大型店規制も活用できるだろう。
富山では、中心商店街活性化の為に、郊外大型店を規制して商業資本の中心地誘導を進めている。新駅設置予定地には、大規模店規制を掛けずに、大手商業資本を呼び込みたい。
進出してくる大手商業資本には、新駅と連携するような商業施設として、新駅の建設費も負担してもらうことも考えられる。これによって新駅は、商業施設を一体化させるような橋上駅化や、駐車場をパーク&ライドとして使用できるようにもしたいものだ。
まずは、既存店でモデルケースをつくりたい。例えば、富山駅ー東富山駅間にあるアピタ富山東店。アピタの増床を勧める条件で、新駅の設置負担を求める。出来れば、商業施設と連携した駅デザインを目指して、利便性を追求することも検討してもらう。そして、高山線の西富山駅ー速星間にも、大手商業資本を誘致して、新駅を併設させる事も検討したい。
郊外大型店規制と鉄路の活性化を、組み合わせた取り組みは、行政負担を軽くするだけでなく、市民生活の向上にも繋がると考えられる。
→東富山駅ー西高岡駅間は、1〜2キロ間隔での駅設置を目指したい
→新設する駅は、道路の立体交差陸橋を利用した橋上駅を多く確保したい
→富山駅ー高岡駅間は、日中10〜15分間隔(ラッシュ時7〜8分間隔)の運行を確保したい
<地鉄路線の再整備>
採算が厳しい地鉄の路線を再整備する必要がある。
・不二越線は、富山外環状鉄道として転用させ、あいの風とやま鉄道に移管する
・上滝線は、LRT化させて市内軌道に接続させる
・上滝線の月岡駅ー岩峅寺駅間は、上下分離区間として鉄道施設は富山市に移管する
・本線の上市駅ー新魚津間は廃止、完全自動運転のBRT路線として整備する
・本線の新魚津駅ー宇奈月温泉駅間は、あいの風とやま鉄道に移管する
・立山線の五百石駅ー立山駅間は、上下分離区間として鉄道施設は関係自治体に移管する
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