越中ハンザ都市『鐵路〜富山都市圏〜』

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06年11月特集第14号
「越中の鉄道ルネッサンス時代へ」
北陸新幹線開業後を睨んで!
↓金沢駅東口玄関ドーム

<検討したい項目>

・富山市圏での暫定的な環状鉄道を整備
 (高山線+地鉄上滝線+新線建設)
・「開発型鉄道」を導入する
・路面電車の地鉄上滝線乗り入れ(南富山駅で接続)
・BRTの導入(カナルパーク-JR富山駅-城南公園間)


<富山圏内に「越中環状富山線」を整備>

 富山市では、鉄道を軸に据えて「環境問題」や「高齢化時代」に対応した街づくりを進めている。
 この政策を更に進めて政令都市としての魅力を高める為に、、富山圏内で環状鉄道実現を検討したいものだ。地鉄上滝線(富山ー南富山間)と、現在のJR高山線(富山ー速星間)の電化。富山南ー速星間を新線で整備して、富山圏内の環状鉄道「越中環状富山線」を実現させたい。(下記参照)

 この越中環状富山線は、1周20キロ程で、JR大阪環状線とほぼ同規模となる。1周約30分、運行間隔は上下線とも10分〜15分を目指す。
 新線は、富山空港への乗り入れやアピタ富山インター店などの大型商業施設、北陸道富山インターチェンジなどをルートとして検討したい。新線区間は複線化とし、富山南ー富山インター間は連続立体高架化、富山インターー速星間は盛り土高架化(一部トンネル化)とし、開通後は、富山ー富山南間を複線の連続立体高架化を検討する。

 高山線からは特急「ひだ」を、環状線に直接乗り入れて富山空港経由とすることで、空港から飛騨観光地を直結させる。また、空港連絡線として、環状線を活用した高岡や新川方面の運行車両も検討する。この環状線化に伴なって、富山地鉄上滝線の南富山ー岩峅寺間を路面電車化して、市内軌道線と直結。更に、市内軌道線を五福からJR高山線の新駅(安養坊付近)に乗り入れ、利便性を高めさせる。

<「レールブルグ(鉄道城壁)」による街づくり提案>

 欧州では、中世時代に街づくりを城(ブルグ)を中心に城壁内へ集約させてきた。城壁を境に、外と中では商業と農業が機能的に分けられた事で、街の機能は文化的にも高いものとなった。欧州では、その思考を現代にも受け継がれている。富山の街づくりも、この環状線を城壁に見立てて、環状線内に街機能を集約させることで、都市としての魅力を高める事を目指すべきだろう。このレールブルグ(環状線内)では、車の走行規制を行い、人を中心とした街づくりを行ないたい。


<在来線に、「開発型新駅」の増設と「開発型鉄路」>

 越中環状富山線の建設には、郊外大型店規制政策を活用したい。例えば、既存のアピタ富山インター店などには、売場面積の増床を認める変わりに、富山環状線の駅設置で建設費や用地を負担してもらうのだ。
 また、ルート上の富山インターー富山空港間にも、大型店誘導地域としてもらい、進出する大手商業資本に、駅設置や用地の負担をさせる事も考えられる。
 この他にも、富山空港ー速星間は、工業団地あるいはオフィス団地として分譲する際に、駅と鉄道の建設費を、分譲価格に上乗せすることも検討できる。
 高速道路の「開発型インターチェンジ」と言われる手法を、鉄路や駅設置にも応用し「開発型鉄道」とするのだ。
 分譲住宅やマンションを、新駅・新線へ誘導配置を目指す必要もある。その為に、郊外の分譲を既成する必要が出て来るだろう。手法としては、都市基盤調整税を導入する。分譲住宅やマンション分譲に一定の地域課税を行う。その税収で、新駅などの整備費用にあてる。但し、駅周辺(新駅予定地も含む)の半径7百メートル圏内、および線路周辺(新線予定も含む)の両側5百メートルでの分譲住宅や分譲マンションには課税免除を行う。
 このような取り組みを行えば、かなりの建設費を賄うことができるのではないだろうか。そして、地域に使われることを目的とした、鉄路の活性化を目指したいものである。

 環状線北側に新幹線駅、南側に空港駅を構えることで、富山市のステイタス度を高めることが出来る。この環状線開通後は、利用状況も踏まえつつ、既存の鉄道網を活かす形で、さらに広範囲な環状鉄道を検討したい。
↑ 長年の懸案だったモノレールを開業した那覇市の「ゆいレール」
↓ 北陸線と高岡環状道路(蓮花寺陸橋)

<在来線「北陸本線」の新駅増設と「鉄道支援道路」の整備>

 第3セクター化された在来線の「あいの風とやま鉄道」。富山県では、ある程度の利用者が確保できると言われているが、新駅を増設できれば、もっと利用率はあげられる。特に人口密度が高い「富山高岡広域都市圏」の東富山駅ー西高岡駅間に、新駅を増設させる必要があるだろう。
 これからの在来線の有り方として、現状の都市の「点」と都市の「点」を結んでいる状態から、駅と駅の間隔を短くした「帯状」を目指すという考え方をしなければいけないであろう。その為には、鉄道に平行して走る「鉄道支援道路」を整備して、沿線開発の後押しする必要がある。駅の増設は、利用者が、これまで何らかの交通手段で駅へ出ていたという「2次的交通手段」だった在来線を、利用者が直接、駅に出るという「1次的交通手段」に転換することを意味するのだ。

 新駅設置には、郊外大型店規制も活用できるだろう。
 富山では、中心商店街活性化の為に、郊外大型店を規制して商業資本の中心地誘導を進めている。新駅設置予定地には、大規模店規制を掛けずに、大手商業資本を呼び込みたい。
 進出してくる大手商業資本には、新駅と連携するような商業施設として、新駅の建設費も負担してもらうことも考えられる。これによって新駅は、商業施設を一体化させるような橋上駅化や、駐車場をパーク&ライドとして使用できるようにもしたいものだ。

 まずは、既存店でモデルケースをつくりたい。例えば、富山駅ー東富山駅間にあるアピタ富山東店。アピタの増床を勧める条件で、新駅の設置負担を求める。出来れば、商業施設と連携した駅デザインを目指して、利便性を追求することも検討してもらう。そして、高山線の西富山駅ー速星間にも、大手商業資本を誘致して、新駅を併設させる事も検討したい。
 郊外大型店規制と鉄路の活性化を、組み合わせた取り組みは、行政負担を軽くするだけでなく、市民生活の向上にも繋がると考えられる。

 →東富山駅ー西高岡駅間は、1〜2キロ間隔での駅設置を目指したい
 →新設する駅は、道路の立体交差陸橋を利用した橋上駅を多く確保したい
 →日中20分毎(ラッシュ時15分毎)の運行を確保したい

<公共インフラ事業としての鉄道整備>

 これからの在来線は、より生活圏に密着した公共交通機関として育成しなければならないだろう。特に、現在の鉄道資産を活かしつつ、道路整備などと同じような”公共インフラ事業”として扱う事が重要だ。ヨーロッパでは、鉄道・路面電車を軸とした鉄道社会復権「モーダルシフト」を推し進めているが、日本でもこれからの社会構造・価値観を見直す必要がある。特に今後は、資源問題や環境問題にも対応しなければならいない。10年後の社会を見越した「鉄道整備」は、行う価値が十分あるだろう。その為には、日本版「モーダルシフト」を鮮明に打ち出す事が大事だ。
 都市部の道路整備などでは、環状道路が何重にも整備されている。鉄道整備でも道路整備と同様に考えるべきだ。富山市内軌道の環状線化が 「内環状鉄道」とすれば、越中環状鉄道富山線が 「外環状鉄道」といえるだろう。これらの環状鉄道に、既存の鉄道網・路面電車網・コミュニティバス網を絡めて、生活圏・商業圏を巧みに結びつけるのだ。
 中心市街地からクルマを締め出すようなトランジットモールの構築など、市民・住民の理解を得ながら”街づくりのムーブメント化”を起こしたい。一端、動き出し歯車が合えば、一気に”街が変わり””街が動き続ける”ようになるだろう。
 脱クルマ社会を目指し、これからの高齢化問題・少子化問題・環境問題・資源問題・都市間競争問題などにも立ち向かう武器として、鉄道整備を考えたいものだ。
・大手モールのトランジットモール化
・市の南北に「道の駅」を設置(鉄道に隣接)、パーク&ライド化を図る
・将来的には、JR中日本の創設と本社機能の富山誘致を検討する

 高山線の活性化も検討したい。経営がJR東海とJR西日本に別れていることがネックにあり、今後は、高山線を全線にわたってJR東海に任せた方が活性化すると考える。

<BRT(バス・ラビット・トランジット)の導入>

 富山市は、LRTを中心に次世代交通都市をして、世界的な街にする必要がある。そこで、既存のバス路線も見直したい。バス高速輸送システムのBRTを、富山市でも実現できれば、LRTと並んで象徴的な街づくりができるだろう。導入箇所が、カナルパーク(富山赤十字病院)を起点に、JR富山駅から城址大通りを南下、布瀬南公園まで、BRT専用道路を整備する。カナルパークと布瀬南公園には、支線バスのトランジットターミナルを整備する。BRTの車両は、日本初となる3連結バス導入を目指したい。料金支払いシステムは、各停留所に改札ゲートを設けて、バス車外での支払いとする事で、バスの定時運行を図る。バス料金は一律料金として、利便性を優先させる。このBRT路線を、JR富山駅が高架化する2018年頃の実現を目指す。

↑ベンツ製の2連結バス
↑日本初の本格的LRT 「富山ライトレール」
↑巨大な金沢駅もてなしドーム

<「LRT文化」にアーバンデザインの導入を>
 「LRT文化」を成熟させるためには、デザイン要素も欠かせない。ヨーロッパでは、街と交通機関のトータル的なデザイン構築 「アーバンデザイン」の導入が進んでいる。富山でも、行政の関係機関に、アーバンデザインを担当する部署等が必要ではないだろうか。鉄道や路面電車などの「LRT文化」は、将来の遺産になる可能性がある。トータル的な街デザインを考え、50年100年を見越した「街の遺産づくり」を目指したいものだ。

<環境に配慮した「LRT」社会の構築>

 街の「LRT社会」化は、単に生活圏を向上させるだけではなく、これからの資源問題・環境問題にも配慮しなければならない。例えば、ポートラムなどとアクセスするフィーダーバスなどには、ミニ電気バスや天然ガスバスを導入したいものだ。また、都市部のレンタカーなどでも、電気自動車や天然ガス車を導入することによって、真の「LRT社会」になると考える。

<鉄道駅を併設した「道の駅」設置で、パーク&ライド化>

 鉄道の公共性や脱クルマ社会を目指す為に、クルマから鉄道へのスムーズなアクセスを図る必要がある。その為には、「道の駅」を活用した「パーク&ライドシステム」の導入を検討したい。例えば、国道8号線と富山ライトレールが交差する場所に、「とやま道の北駅」を設置し、富山ライトレールを活用した市内への誘導を図る。一方、北陸道富山インター・国道41号線と環状鉄道富山線(提案)が交差する場所に、「とやま道の南駅」を設置し、環状鉄道富山線への誘導を図る。
 市の南北に、鉄道駅を備えた「道の駅」を設置することで、都市部へのクルマ乗り入れを抑制させる。交通対策・環境対策から考えても、一石二兆と言えるだろう。

↑富山ライトレール「岩瀬浜駅」でのフィーダーバス接続 ↑金沢駅在来線連続立体高架駅