<中心商店街を『北陸の巣鴨化』で再生>
少子高齢化が進んだ事で、高岡市を中心とした県西部では、若者は都会へ、ファミリーは金沢やイオンなどに流れている。この流れを呼び戻す事は、今となっては諦める必要がある。一方で、おばあちゃんが求めているおしゃれなファッションが、北陸ではなかなか手に入らないという事を起こっている。そこで、高岡の中心商店街では、ターゲットを高齢者に絞る事で、金沢や富山市との差別化を図る必要がある。高齢者の街として有名なのは、おばあちゃんの原宿とも言われる巣鴨。高岡の中心商店街は、『北陸の巣鴨』と位置付けた街づくりに特化する事で生き残るべきだろう。
その実現の為に、御旅屋セリオのキーテナントで2019年に閉店した旧大和高岡店を、シニア百貨店に衣替えしたい。新たに百貨店を誘致するのは現実ではないので、地元資本と商店主による「オラが街の百貨店」を目指したい。店名も『高岡しみん百貨店』や『タカマチ百貨店』とする事で、地元の誇りある百貨店としたいものだ。
そこで参考にしたいのが、上越市は直江津駅の近くにあるショッピングセンター『エルマール』だ。もともとは、キーテナントにイトーヨーカ堂が入っていたが2019年に撤退した。エルマールの売り場面積は約1万平米で、御旅屋セリオの約半分。イトーヨーカ堂はこの内の6,000uを占めていたが、現在は空いたスペースはすべて商業施設として再生している。新たに長岡の食品スーパーとマツモトキヨシ、そして新しいキーテナントとして無印良品を誘致した。無印良品としては、過去最大級の売り場面積約5,000uという超大型店だ。2階フロアのほぼ全てを無印良品が占めている。無印良品では、広島アルパークでも撤退した天満屋百貨店跡のキーテナントとして、売り場面積が6,000uを超える店舗を出店しているなど、超大型店を増やしている。その他にも、エルマールの注目したいのが1階フロアで、地元商店の専門店が40店舗以上も出店していることだろう。県外資本を含めると専門店が50店舗を超える。
御旅屋セリオでも、地元商店と無印良品の誘致を軸に『高岡しみん百貨店』としての復活、あるいは無印良品として全国初の『無印百貨店』としての再生を期待したい。
また、(現)北陸銀行高岡支店から高岡しみん百貨店にかけては、都心回帰の拠点を造りたい。もともと、(現)北陸銀行高岡支店は、かつて高岡市役所があった場所でもある。ここに、再び市役所を移転するのも、面白いと考える。特に、かつての市役所デザインを踏襲して、歴史文化都市にふさわしい市役所を実現させたい。また、隣接した宮脇町には、老朽化した高岡市民会館を移転させることで、御旅屋セリオの活性化にも繋げたい。御旅屋通りは、マンションの立地を進める事で、低層階のアーケードと店舗の維持を図る事も検討する必要がある。この一角には、『七夕まつり会館』を併設する事で、高岡大仏と一体的に観光的魅力を高める事も狙いたいものだ。また、御旅屋通りは、名称を巣鴨の巣鴨地蔵通り的に『御旅屋大仏通り』に改名して、シニア層に特化したテナント誘致を目指したい。おばあちゃんの街として、高岡の中心地を再生させる。御旅屋セリオの1・2階部分は、御旅屋大仏通りと一体化するように"路面店舗化"とする事で、街の垣根を無くしていく。
また、商店街の活気を失っている「御旅屋通り」と「大福院通り」を、今一度、アーケード街として再生させたい。何故なら、これからの高齢化時代を見据えた際に、雨や風を気にせず、また階段などの障害物を気にしないで気軽に買い物が出来る街は、昔ながらのアーケード商店街が最適だからである。特に、駐車場からアーケードが直結していないと効果がない。
そこで検討したいのが、現在は撤去された大福院通りのアーケードも再設置だ。隣接する高岡市営駐車場や片原町までをアーケードで結ぶことによって、高齢者からの要望が多い、雨に濡れずに駐車場から御旅屋セリオへ行けるよう対応させたい。
<高岡駅周辺の『ビジネスタウン化』>
かつて、高岡駅から金屋町までのエリアは、たくさんの企業がひしめきあっていた。しかし、現在は多くの企業が、郊外へと拠点を移したことで、中心地の拠点性を失ってきた。いま、都心回帰として、マンションなどの誘致による居住人口を増やそうとしているが、今一度、ビジネスの拠点性を高めるべきだと考える。郊外に分散した企業の本社機能を高岡駅周辺に呼び戻すことで、商都高岡の復権を目指すべきだろう。
駅前周辺には、地元企業の本社ビル誘致を図りたい。富山銀行の本社ビルの他に、北陸コカコーラ・三協立山アルミ・ショウワノート・トナミ運輸・高岡ガス・チューリップテレビなどの本社誘致を図り、駅前地下街と直結する事で、回遊性も高めさせたい。
駅前地下街は、オフィスビル・ビジネスホテル・高等教育機関(大学のサテライトキャンパスや専門学校)を貼付けて、ビルの回廊(コリドー)化とし、御旅屋地区とは違う活性化を狙う。これによって、昼間人口を増やすとともに、企業の頭脳が集積する事で企業間の交流を促し、各企業の活性化をも目指したい。更に、企業で働くビジネスマンを中心にする事で、公共交通機関の利用促進に繋げ、地下街のファッション系や雑貨系の商業店舗を確保や、歓楽街化を促す効果も期待したい。
歴史文化がかおる街として磨きを掛けるとともに、ビジネスの中心地に復権することができれば、中心地での商業店舗も増やしていくことが可能になると考える。(→世界遺産〜商都高岡ページを参照)