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<検討したい項目>
・演出のある街づくり
・総曲輪、富山駅前の商業エリア5点セット化
(百貨店+ファッションビル+DIYビル+エンターテイメント施設+飲食ゾーン)
 富山の中心市街地は、近年、著しい衰退を見せている。市民が求めるものが、今の市街地には少ない。高い駐車料金を払っても来たくなるような都市環境を造る事が求められていると考える。
 また、「民間がつくる街」 と 「行政がつくる街」 では、圧倒的に 「民間がつくる街」 の方が、魅力的である。政令市以上の大都市では、「民間でつくる街」 が主流であるが、富山では 「行政がつくる街」 とならざるを得ない。金沢では、民間資本での街づくりが増えつつある。こういった点でも、富山の街づくりが遅れてる状況だ。今後、いかにして 「民間での街づくり」 を実現させるかが、鍵となるだろう。


<かつて計画された市街地再開発構想>


 富山市の市街地再開発構想は、かつて大型のものが、いくつも計画されていた。そのひとつに、城址大通りに一大地下街を造ろうというものだ。JR富山駅から平和大通りの間、約千三百メートルに幅20メートルの地下街を建設しようというもの。昭和63年頃に大手ゼネコンで構想され、事業費は312億円とも言われた。通路の両側には店舗を配し、天井はアーチ型として、ゆとりのある空間が検討され、各交差点下には6つの地下広場も設けるというスケールの大きなものだった。しかし、その実現には至っていない。

 また、昭和58年頃には、富山駅周辺の3街区で再開発構想があった。現マリエが建つ駅東街区は、国鉄宿舎と地鉄用地跡地。当初は、売り場面積3万平米を超える百貨店誘致を目指していたが、富山県に興味を示す大手百貨店がなく、ファッションテナントビルとなった。売り場面積も縮小して1万平米弱となり、当初計画にあった、地下階も取りやめとなる。現CICが建つ須田街区も、当初は売り場面積2万5千平米規模の百貨店誘致を目指していたが、こちらも誘致に失敗。金沢の丸越百貨店やスーパー系のジュニア百貨店などにも誘致を試みたが、結局は実現しなかった。こちらもファッションテナントビルとビジネスホテルとなる。だが、ファンションテナントは、先行してオープンしたマリエよりも売り場面積が小さく7千平米弱の規模となった。この中途半端な売り場面積が、その後の経営難となり、破綻へ追い込まれる。最後の西街区は、飲食・レジャー・ブライダル系の再開発ビルを目指すも、こちらもビジネスホテルとなった。
 このように、富山市の市街地再開発構想は、いずれもうまくいかなかった。その原因は、富山が商圏として魅力と感じてもらえないかったという事。もし、昭和30年代に構想された、市町村合併による百万都市構想が実現していたならば、まったく違った結果となっていただろう。現代において、過去の失敗を反省し、都市の戦略を持って、大きく変えていかないといけないだろう。
 富山の場合は、街を演出する事も、苦手としている。再開発ビルは、箱を造るだけで、「魅せる」 という部分が無い。金沢の街づくりは、香林坊の再開発ビルや金沢駅高架下の百番街のように、ビルの外や中には、水辺空間を造り、通路や道もカーブや高低差を設けて、街に変化を持たせている。だから、歩いていて楽しく感じるのだ。東京・渋谷のスペイン坂や原宿・竹下通りが人気なのも、街に変化があるからである。

↑ 世界遺産ドイツブレーメンのマルクト広場
<商業エリアの5点セット整備を>

 また魅力的な商業エリアを造る場合に欠かせない、商業5点セットがある。それは、「百貨店」・「ファッションテナントビル」・「DIY(生活雑貨)ビル」・「エンターテイメント施設」・「飲食ゾーン」 である。
 富山県は、"日本一" デパートが少ない(面積)県と言われているにも関わらず、県都から西武百貨店の撤退した。魅力的な商業エリア構築には、既存百貨店の強化と新規誘致が最重要課題と言えるだろう。魅力的な百貨店と言えば、「伊勢丹三越・丸井・高島屋・プランタン」 など。ファッションテナントビルと言えば、「109(東急系)・ルミネ(JR東日本系)・ラフォーレ原宿(森ビル系)・PARCO(西武系)」。DIY系ビルとしては、「ロフト・東急ハンズ」 などが理想である。エンターテイメント施設としては、シネマコンプレックスやライブハウス、ミニテーマパーク的なアミューズメント場、演劇場、スポーツ競技場などや、最近では品川アクアスタジアムのような水族館併設まで考えられている。

<富山総曲輪西町>

 総曲輪アーケードは徹底的にモール化し、現在のアーケードを一新させて、天井を高く(3階)そして透明度を高めて明るい通りとする。また水辺空間や、途中途中に広場空間を設けて、人が滞留できるスペースを設ける。各店舗は、出入り口の仕切りを低くする工夫を研究したい。モール化の手本としたいのが、キャナルシティ博多だ。単なるショッピングモールではなく、ビジネスからエンターテイメントそして憩いの空間まで整備された街であり、是非参考にしてもらいたい。また、西武百貨店撤退跡地は、マンションとなる他、中央通りで計画されたいた商業ビルも、中央大手資本の誘致がかなわず、結局は、こちらもマンションとなってしまった。本当に魅力的な商業エリアにする為には、若者層に人気のDIY商業ビル 「LOFT」や「東急ハンズ」と 、ファッション商業施設 「PARCO」や「ラフォーレ」 など を誘致しないといけないだろう。また、移転新築された大和百貨店に関しても、売場面積が2万平米あまりと決して大きいとはいえない。富山の商圏を拡げていくにも、将来的に別館などを設けて、4万平米超えを期待したいものだ。
 中央資本の魅力あるテナントを、総曲輪に誘致する為に、商店街としては、全国にあまり例がない東京事務所の設置を目指し、商店街の株式会社化 (NPO法人化) を目指す事も検討の余地があると考える。

 富山は、金沢や高岡のような和の都市とは違う "街のトーン" づくりを行う必要がある。例えば、路面電車の本場、欧州を参考にした石づくり風の景観を目指してはどうだろうか。いかにして、街の風景に個性を持たせるかが、これからの課題と言える。
 また富山の街は、県外の観光客やビジネスマンから、「夜が暗くて寂しい」 とも良く言われる。つまり、富山に来ても、商業的につまらなく魅力がないという事だ。その一因として考えられるのは、歓楽街 (飲み屋) が裏通りに集中している点である。今後は、札幌の 「すすきの」 をモデルに、堤町通り (一番町-総曲輪-堤町) に飲み屋街を集中させ、「中教院」 をブランド名とした、夜の明るい歓楽街を目指す事も考えたいものだ。勿論、都市型ホテル・ビジネスホテルの貼り付けによる大通りのビル化や、家電量販店の誘致・大型ビジョンの設置も進めるなどの、「華やかさ演出」 は欠かせないであろう。

↑ 東京銀座  → JR札幌駅「JRタワー」

 また、新規の観光スポットも検討する必要がある。例えば、中教院に県内外の有名すし店を集めた一角を整備し、「越中すし小路」 (15店舗規模) として全国に売り出すことも検討してもらいたい。

 路面電車の環状線を更に強化する必要もある。大手モール・国際会議場・市民プラザ・全日空ホテル・大和百貨店を活かすという点で、大手モールの「トランジットモール化」が必須だと考える。路面電車乗り入れに伴なって自動車を締め出し、歩行者と公共交通だけの通り 「トランジットモール化」 が実現できれば、大手モールを中心に、魅力的な商業施設の貼り付けを進めることができるだろう。

<参考サイト>
○イオンモール高岡
   イオンモール
   イオンレイクタウン
   フォーラス
○ららぽーと
○渋谷109
○ルミネ
○ラフォーレ原宿
○パルコ
○LOFT
○OIOI丸井
○東急ハンズ
○タカシマヤ

○丸の内ビルディング
○お台場 ヴィーナスフォート
○上野 アメ横
○神戸モザイク
○キャナルシティ博多
○ホークスタウン
○JRタワー(JR札幌駅)
○JR名古屋駅セントラルタワーズ
○JR京都駅ビルJR京都伊勢丹
○金沢 近江町市場
○サンポート高松

○小樽「出抜小路」
○川越「菓子屋横丁」
○伊勢「おかげ横丁」
○松本 蔵のある街「中町」
○豊後高田「昭和の町」(大分県)
○湯布院「やすらぎ湯の坪横丁」
↑JR博多シティ

<富山駅前>

 富山駅前に欠けている百貨店機能を実現し、広域商圏を目指す必要もある。
 特に金沢駅周辺では、大型商業施設の誘致が本格化している。既に駅東口には、JR西日本が誘致したイオン系のファッションテナントビル 「フォーラス」 とシネコンが2006年秋にオープンした。売り場面積が約1万8千m2。バスターミナルに面するビル壁面には、横9メートル縦5メートル(約45平方メートル)の大型ビジョンも設置され、一気に駅前が華やぐことこととなった。
 更に、駅西口でもJR西日本のホテルと商業ビル「百番街くつろぎ館」がオープン。また、新幹線開業に合わせ、駅下のファッションゾーン『リント』が3倍に増床され、金沢駅の商業面積は約2万5千m2に拡大した。このように、圧倒的な商圏力を金沢が身につけるており、対照的に、富山駅周辺は更に廃れる事となるだろう。富山駅周辺でも大型商業圏確立は急務となっている。特に気を付けないといけないのは、金沢と同じような商業施設を造っては魅力がない。如何に差別化・個性化させるかが重要だ。



<郊外商業施設と中心商業施設の役割は違う>

 トランジットモール化される富山駅周辺には、ファッションビルとして「ルミネ」 「パルコ」 などの誘致や、DIY商業ビルとしては「東急ハンズ」・「LOFT」 など、百貨店としては「伊勢丹百貨店(新潟三越伊勢丹)」や「タカシマヤ百貨店」 、都市型の家電量販店として「ヨドバシカメラ」「BICカメラ」などの誘致も期待したい。これらの実現の為に、例えば三井系の大型モール『ららぽーと』を誘致して、百貨店・ハンズ・シネコンなどをキーテナントとした、売場面積10万m2の商業ゾーンとする事も検討してもらいたい。

 また、駅北ゾーンでは、日本海の幸が一堂に集まる、欧州型の大規模市場を設けたい。金沢の近江町市場に負けない、市民が日頃から買物ができるような、大衆市場を目指す

↑JR新宿駅南口のルミネ前
↑ブタペストの中央市場

<郊外大型店対策の見直し>

JR金沢駅周辺の開発が進み、各セグメントが埋まってきた。未開発スペースも、大幅に減少している。
 中心地に魅力的な商業エリアがあるのは、とても重要である。しかし、これまでブランド力の高い中央大手の流通資本や高級ブランドショップは、富山県に興味を持って来なかった。それは、富山県自体に都市としての魅力、つまり「ブランド力」が無かったからだと言える。この傾向は政令市が誕生しない限り、今後も続いていくであろう。
 一方、富山市周辺では、郊外大型店の立地も進んでいない。現状、ファボーレ婦中・アピタ富山インター店・アピタ富山東店の3店のみだ。金沢市周辺(現状9店舗・計画3店舗)に比べれば、比較にならない規模しかない。
 売り場面積に換算すれば、富山の郊外大型店は6万5千m2 に対して、金沢の郊外大型店は、2006年7月に開業したイオン金沢示野 (2万4千m2) ・2007年に開業した金石のアピタベイエリア・2008年に開業したイオンかほくなどを合わせると28万m2 (計画中のものを含むと35万m2) に及ぶ。
 実に、富山市側の4倍以上の商業施設規模だ。中心部の大型商業店舗でも、富山市が3店舗で売り場面積4万1千m2 に対して、金沢市は7店舗で売り場面積11万m2 (フォーラス金沢・パティオを含むと14万千m2) と、こちらも3倍近く差があり、大きく水を開けられている。 更に金沢では、2009年に近江町再開発が完成し、観光と地元商業の両面で活性化に繋げている。(注:上記の売り場面積は概算)
 現在、富山金沢間の高速バスが好調であるが、その殆どが、富山から金沢への買い物客だと言われている。北陸新幹線開業後は、一気に富山市の消費者が金沢へと流出する危険性が出てきた。

↑ イタリアミラノのガレリア
↑旭川の「買い物公園通り」(歩行者専用道路)
<「規制」 より 「大手資本の取り込み」 策が重要>

 富山市の場合、郊外の大型商業施設立地に対して、中心商業地域の警戒感は強い。そういった中、富山市をはじめ富山県までもが中央商店街保護の為に、郊外大型店の出店規制を行おうとしている。しかし、行政規制による 「束縛された商業エリア」 では、更に街の魅力を落とすこととなるだろう。特に金沢との商業競争で、大きく水を開けられている状況での規制は、富山の商業レベルを致命的に衰退しかねないだけに、慎重に対応すべきだ。行政は、戦略性を持った対応が求められている。
 本来、中心商業地の活性化は、郊外大型店の問題とは別次元で進めるべきである。仮に、郊外大型店の出店規制を掛けるとしても、鉄道駅周辺 (駅の大小に関わらず、駅の半径1キロ以内) に限り、出店規制(売り場面積・業態・営業時間)を全く掛けないような処置をとるべきだ。勿論、郊外大型商業施設に対しても、魅力あるものでなければ、富山県には必要ないというスタンスを取るべきであろう。中央商業地が魅力がないのに、郊外大型店も単なるスーパーだけではあまり意味が無いのである。
 例えば、新規郊外大型店には、「2核1モール化」 (百貨店機能設置) を義務付け、専門店の40%以上を地元資本とさせたり、周辺都市を含めた中心商業地との間に、パークアンドライド機能を持たせた 「送迎用コミュニティバス (30分毎1本以上) の運行」 なども義務付けさせたりすべきだろう。

 これからは、中途半端な商業施設・商業エリアでは、淘汰されるのは間違いない。単に 「郊外大型店は中心商業地にダメージを与えるから "ケシカラン" 」 という時代ではない。努力と工夫をして、将来に渡った計画を持っているところだけが生き残るのです。百年経っても、廃れないデザイン性の高い都市づくり。富山の商業界も切磋琢磨してもらいたいものだ。
↑東京有楽町マリオン
西武百貨店と阪急百貨店が入居。両百貨店を挟んで中央に吹き抜けの公共通路がある。