<ソサエティ5.0の実験都市>
富山県では、常に夢のある未来都市を摸倣する必要がある。なぜなら、富山県は歴史や文化では、お隣り金沢の影となり注目されにくい環境であり、それが県民の自虐性に繋がっている。金沢とは違う真逆の世界感を構築しないと、県民の誇りと自信は生まれてこないと考えるからだ。その打破のひとつが、『未来都市』という夢のある街づくりだろう。
具体的な『未来都市』のイメージは、先進的なITやAIを活用しつつ、ソサエティ5.0を完全に実現した『スマートシティ』の実現だ。
トヨタ自動車では、プロジェクト「コネクティッド・シティ」として、静岡県裾野市に「ウーブン・シティ(Woven City)」と呼ばれる実験都市を開発する。ロボット・AI・自動運転・MaaS・パーソナルモビリティ・スマートホームといった先端技術を、実際のリアルな都市生活で実証実験するものだ。東京ドーム約15個分の工場跡地に、約2千人が暮らすという。建築家も著名なビャルケ・インゲルスが手がける。世界企業のトヨタならではの壮大な計画となっている。
富山県でも、民間のチカラで未来都市を創りたいものだ。県内には、エネルギー産業、ゼネコン、自動車産業、情報産業などの中堅企業が数多くある。これらの企業が共同で未来都市『スマートシティ』にチャレンジする。具体的には、スマートシティのモデルタウンを、既存の鉄道路線に新駅を設けて、その駅を起点に創造する。このモデルタウンでは、自動運転のレベル5だけが乗り入れられる街として、これまでの一般車両の乗り入れはできないようにする。また、ドローン宅配や5Gを活用したIT医療なども導入するなど、未来の生活を、全国に先駆けて実現させる事で、県内の他地域にもスマートシティを拡げるきっかけとしていきたい。この大規模なモデルタウンを呼び水に、全国のITやAIの先進企業を富山県に呼び込む事も狙いたい。
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<検討したい項目>
・軽四とクリーン車をメインとした街づくりを目指す
・ECO車に水色ナンバーを新設する
・2050年までに自然エネルギー100%の実現
・2050年までにエネルギーの地産地消化を実現 |
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富山県では、クルマ所有率が全国トップクラスであり、その中でも軽四販売は、人口比でトップクラス。これからの環境時代に先駆けて、改めて 「軽四の価値」 を越中から見直したい。また、普及が進まないハイブリッドカーや天然ガス車などのECOカーを、越中を社会実験場として、環境先進県を目指したいものだ。
軽四とECOカーをメインとした街づくりを目指すためには、「ECOカー特区」の実現が不可欠となろう。
<ECOカー特区>
軽四とECOカーに限って、都心部での駐車場割引・路上駐車規制の緩和・都心部で軽四とECOカーを除く一般車の通行規制道路を増やすなど。「街に来るなら軽四・ECOカーが便利」とするのだ。
また、ECOカーの普及も、工夫を図りたい。ECOカーであることを特別とする為に、水色ナンバーを新たに設ける。ハイブリット車・電気自動車・天然ガス車・燃料電池車を水色ナンバーとすることで、一般車から切り離す。そうすることで、ECOカーのみが受けられる様々な特典を用意し普及促進を目指したい。
<農業ECO改革>
ECOの先進県を目指す為に、農業からのアプローチも図りたい。特にバイオ燃料の確保に、富山県では減反政策を全面的に廃止を検討する。米からのバイオ燃料化技術を確立させ、県営の米バイオ燃料化プラントと備蓄タンクにて安定的なエネルギー確保を行なうのだ。そして、積極的に余剰米を購入して、県内のガソリンスタンドでECO燃料として販売を行なう。
また、我が国の農業自給率は現在40%弱だが、これを越中では70%台まで回復させたい。その為には、米以外の野菜や食肉を育成する必要がある。その達成させるキーワードとなるのが、県内産のブランド化だろう。しかし、富山県の場合、米以外はブランド力が弱い。その解決には、新しい品種の開発が不可欠となる。県内大学に農学系の学部を複数確保して、「越中野菜」や「越中肉」などの新しい越中ブランド食材と、それに伴う越中独特のブランド食「越中料理」の研究開発を押し進める必要がある。県民が、地元食材に特別の愛着と食卓の必需品になることで、自給率を上げるのだ。
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<新エネルギー革命『電気の地産地消』と『電気の自給自足』の実現を!>
太陽光発電や燃料電池などの次世代エネルギー開発が進んでいるが、富山県はもともと豊富な水力発電を持つエネルギー大国だった。今一度、自然エネルギーを軸とした新エネルギー大国を目指す必要がある。何故なら、時代は変化したとしても、電気エネルギー社会は変わらないからだ。現在は、東電の福島第一原発事故により原子力発電の比率が下がったことで、火力発電がメインとなっている。これを徐々に、次世代エネルギー発電に移行させて、富山県における『電気の地産地消』を目指したい。
【水力発電】
まず考えたいのは、『水力発電の復権』だ。富山県に多くある水力発電所は、関西電力が握っている。これは、戦後政策によるもので、豊富な水力エネルギーは地元では使えないのが実情。新規のダム計画は『利賀ダム』だけだが、これは治水対策と工業用水が主目的とされている。この利賀ダムを水力発電ダムとしても活かしたい。 さらに、河川を利用した小型水力発電も重要になる。既に県内でも実験が進んでいるが、全国に先駆けて実用型の小型水力発電を大規模に県内の河川に展開して、水力エネルギーを最大限に活用したい。この小型水力発電を普及させるために、町内会レベルのコミュニティー事業者を支援していく制度が必要だろう。
【地熱発電】
立山周辺の豊富な地熱エネルギーを活かした『地熱発電』を、3〜4箇所程度確保したい。 実現までの課題が多いため、他の自治体は取り組みが進んでいない。大きな障害となるのは、地熱発電の候補地が国立公園に位置することだ。国立公園内は、開発が規制されている。現在は、国立公園の外れた場所から地下を斜めにボーリングして、熱源までたどる方法が取られているが、事業費用が掛かってしまう。黒部川流域には、国立公園の規制がかかる前に造られたダムが多数ある。この水力発電のプラントを拡張するカタチで、地熱発電の導入を目指したい。黒部川の高熱隧道は有名だが、豊富な熱源をいかに自然破壊せずに確保するか、検討を期待したい。
【水素発電】
更に水資源の多い富山県にとっては、もっとも可能性のある再生エネルギーがある。それが『水素発電』だ。水素は蓄えられる自然エネルギー。県内に水素をつくるプラントを、4〜5箇所程度設けたい。候補地としては、水資源の確保が容易なダムや河川の河口付近。例えば、有峰ダムや利賀ダム、神通川や庄川・小矢部川の河口付近を想定したい。この水源から風力発電と太陽光発電を使って水素を生成させて、水素タンクに保存する。そして、この水素生成プラントの傍に、『水素発電所』を設置して、必要時に必要量を発電する。
さらに、河川を利用した小型水力発電や、河川付近の電信柱に小型風力発電機を多数設置して、河川の水を利用した小規模液体水素プラントの実用化も目指したい。
水素プラントは、単に発電だけでなく、燃料電池車や燃料電池電車などにも供給できるイメージを持ちたい。また、工場などにも石油エネルギーに変わる代替エネルギーとしても供給を目指して、『エネルギーの地産地消』を実現させたい。
【次世代原子力発電】
化石エネルギーの高騰を受けて、日本の電気料金も上がり続けている。これは危機的な状況だ。特に、原子力発電がほとんど使えない状況にありのも問題だろう。前出の自然エネルギーは、どうしても運用に課題が多い。風力発電や太陽光発電などは、安定した発電ができなかったり、自然環境に悪影響を及ぼすような素材が使われたりしており、クリーンなエネルギーと言い切れない面が隠れている。勿論、現状の原子力発電にも、放射性廃棄物処理の課題がある。しかし、今の日本では、原子力発電の安全性を確保して、使っていく必要があるだろう。
そして、取り組みたいのが次世代原子力発電。様々な発電方式が考えられているが、もっとも日本にあっているのは『トリウム発電』だ。政府が検討している次世代原子力発電は、現在の軽水炉原発の発展させた方式だが、既存の原子力発電で発生するプルトニウムを利用できるトリウム発電は、原子力サイクルの観点からも魅力的だ。特に、発電後の放射性物質が少なく、メルトダウンなどの危険性がない。この『トリウム発電』を、北陸電力の志賀原発に併設することも検討したいものだ。
【家庭で『電気の自給自足』実現を目指す!】
一般家庭での自家発電普及と家庭用蓄電池の普及促進を進めたい。これには、家計に大きな負担をかけることになり、普及させるには障壁が大きい。しかし、普及率が30%を越えれば、劇的に普及率が上がるだろう。イメージとしては、家庭用の太陽光発電・燃料電池発電・風力発電機などに、家庭用蓄電池を組み合わせて、発電できる時に発電して蓄電池に貯めておき、必要な時に自然エネルギーを使う。究極で理想的な家庭用発電システムであるが、課題は導入コストが高いこと。最低でも300万〜500万円程度がかかる。しかも、メンテナンス費を考えると、まだ普及には時間が掛かるだろう。特に蓄電池は、導入費に対して寿命が短く、コストパフォーマンスが悪い。ただ、開発が進められている全固体電池が登場すれば、半永久的に寿命が伸びることから、『電気の自給自足』が見えてくる。
富山県では、『電気の自給自足』を全国に先駆けて実現させたい。
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<検討したい項目>
・既存メディアの充実 |
<民間放送局の格差是正政策 (多波化)>
富山県は、電波後進県である。今だに、民放テレビが3局、FMが1局、AMが1局しかない。東京では、民放テレビが6局、FMが3局、AMが4局であることを考えると、半分以下の状況だ。
現在、富山県では、CATV局で石川のテレビ朝日系列局を再送信し民放4局視聴を実現しているが、富山県の独自性確保の為にも、民放の多波化を独自に目指したいものだ。
(富山県内の民放局再編と『1局2波+R1波』案)
隣県を巻き込んだ民放局の再編が難しい場合に検討したいのが、ひとつの放送局で、2つのテレビチャンネルを放送するというもの。いわゆる『1局2波』方式だ。国内では唯一、沖縄の琉球放送が、沖縄朝日放送のチャンネルも運営しており、実質的な『1局2波』を実現している。富山県の民放テレビ局を1局2波化ができれば、東京キー全局の視聴も可能性が高まってくる。キー局では経営面で大きな差が局もあるので、県内の民放局が2波をどの系列で行うか決めるのは大変な作業になるかもしれないが、放送局を増やして多波化されるよりは経営負担は少ないと考える。沖縄県では、既存局の子会社として1局2波化されたが、富山県では子会社ではなく既存局にそのまま2波化を図る。既存局の経営状況もあるので、経営規模の大きい北日本放送をまず1局2波化することを検討したい。また、ラジオ波では経営が不安定であり、単営ラジオ局のFM富山を既存テレビとの経営統合を図ることも検討する時期ではないだろうか。まずはテレビ4波化を図り、県内の放送格差を是正したい。
(コミュニティーTV局の認可)
市町村単位をエリアとするコミュニティーFM局のような、コミュニティーTV局の設置を認めていくことも検討したい。実現すれば、東京キー局と同じ5波の視聴が富山県で可能になる。各CATV局は、基本的に市町村単位がサービスエリアとなっている、そのサービスエリアを限定としたコミュニティーTV局となるため、既存局への影響は限定的と考える。また、既に各CATVではコミュニティーチャンネルを持っており、これをコミュニティーTV局に置き換えるだけで実現できるメリットもある。どの程度の広告収入を確保できるか次第であるが、全国に先駆けたモデルエリアとすることを想定したい。
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(富山・石川の民放局再編と『相互乗り入れ』案)
県内TV局の1局2波化が運営的に難しい場合は、石川県の民放局と業界再編を行うことも検討したい。4局化されている石川の民放局をみても、地方における民放多局化は経営的にも厳しいものがある。そこで、富山県と石川県の民放局を再編させて、相互乗り入れ化を図りテレビとラジオの多波化することも検討すべきだろう。系列局の鞍替えや経営統合などクリアにする課題は多いが、経営的には安定化させることが可能となるのは間違いない。この問題解決には、行政の介入が不可欠だと考える。電波を管理する総務省が指導して、業界再編を促すことも考えられる。あるいは、富山県と石川県の両知事が協議してコンセンサスを取り、関係メディアで協議会を立ち上げるいう手法もあるだろう。多様なアプローチで解決策を見出さないと、なかなか前進させるのは難しい。放送局をつくる際には、出資したい様々な資本間との調整で開局させている。特に、大手新聞社や地元新聞社、キー局や地元の有力企業など、ひとつの放送局ごとに資本構成は複雑となっている。また、後発といわれる放送局では、県や地元の自治体も出資いているケースもある。業界再編には、調整力が問われる。しかし、いまや様々な業界でも再編が進んでいる。実現できない話ではないだろう。最近では、銀行が地元企業のM&Aに積極的な関与をしており、そういった銀行のノウハウを取り入れるのも手ではないだろうか。
富山県と石川県の民放局再編では、テレビ局とラジオ局も含めての再編も進めていき、ラジオ単営局をなくして、テレビとの兼営局とすることで、ラジオ局の経営安定化を図る必要がある。ラジオ局は、既存のAM局をFM局化させる。メイン送信塔を県境の宝達山山頂付近に設置する事で、ほぼ両県を大きくカバーさせる。
この業界再編と両県の民放局相互乗り入れによって、テレビは東京キー局の5波、ラジオは4波をネットさせる。テレビ東京の系列局が北陸にある意義は極めて大きく、東京と遜色ないテレビ視聴ができることで、東京をはじめ3大都市圏からの移住促進にも繋がると考える。
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(富山・石川・福井の民放局再編と北陸3県による『相互乗り入れ』案)
世界的に映像コンテンツのインターネット配信が定着したなかで、日本の既存メディアは出遅れてきた。それだけ、日本のキー局は安定した経営を維持してきたとも言える。しかし、若者を中心にテレビ離れが顕著となり、ようやくキー局のネット同時配信がスタートした。まだ、完全な同時配信ではないものの、遠くない時期にはキー局の番組が全国で観れるようになるだろう。そうなると、地方局の存続が難しくなる。否応がなく地方局の統廃合が進むだろう。また、ラジオ局でもAM局がFM局に移行することになった。地方局がどう生き残るのか、真剣で現実的な議論は始まるのは間違いない。富山と石川の民放局再編に止まらず、福井の民放局を加えた議論の可能性も出てきてもおかしくはない。福井県は人口が80万人ほどしかないものの、民放テレビは2局しかないことから経営は安定している。民放局の再編には消極的と思われるが、10年後20年後を見据えると、このままというわけにもイカナイだろう。そういった現状を踏まえると、北陸3県の民放局を再編した、広域放送エリア放送局の実現も見据える必要がある。北陸3県の民放テレビは9局、民放AMはラテ兼局で3局、民放FMはラジオ単営局で3局。これらを、テレビは東京キー局と同じ5波、FM5波に再編する案も検討したいものだ。この実現には、県知事や経済界が重要な役割を担わないとイケナイだろう。民放チャンネルが、東京エリアと変わらず楽しめる環境づくりは、富山県の魅力確保に必須となると考えます。2025年までの実現を目指したいものだ
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