<城端線・氷見線のLRT化は、『2段階整備』>
現在、城端線・氷見線LRT化検討会で議論されていますが、事業費(最高435億円)が大きなネックとなっていると報道されており、LRT化が難しく新型車両導入で終わる可能性が高いともいわれている。
これは、極めて残念な状況だ。
城端線・氷見線のLRT化は、持続可能な社会インフラとして『100年先にも鉄路を残せる』取り組みだと考える。新型車両導入では、これまでとほとんど変わらず『100年先にも鉄路を残せない』と危惧される。また、新型車両導入は本来ならJR側が取り組むべきことで、公的資金を投入するものではないだろう。
そこで提案したいのが、城端線・氷見線LRT化を2段階で取り組むことだ。
城端線29.9キロと氷見線16.5キロ、あわせると46.4キロもあり、一度にLRT化しようとすれば、それは巨額な投資となるのは当然だろう。まずは現実的な取り組みとして、氷見線のみを先行してLRT化させてはどうだろうか。氷見線だけであれば、1/3以下の投資で済み、取り組みやすい選択肢といえる。
【第1段階】
1、氷見線(16.5キロ)を先行してLRT化させる
2、高岡駅ー新高岡駅間(1.7キロ)にLRT線を整備して、氷見線と万葉線の車両を新高岡駅まで乗り入れさせる
3、城端線(29.9キロ)は当面、現状のままとする
現在、富山県西部の交通政策で大きな課題となっているのは、氷見線と万葉線が高岡駅止まりで、新高岡駅まで行くには乗り換えないといけないのが、大きなネックとなっている。まずは、この解消を最優先に考えて、取り組むべきだろう。
高岡駅ー新高岡駅間のLRT線整備に関しては、2つの方法を提案したい。
A案:城端線の高岡駅ー新高岡駅間をLRT化させる(現状の城端線車両も走行できる共用区間とする)
B案:駅南大通りにLRT新線を整備する。
A案のメリットは、B案に比べると整備費用は抑えられること
デメリットは、LRT化の整備をする期間(約半年)は、この区間を運休させる必要があること
B案のメリットは、城端線の運休期間がないことと、運行本数を多く確保できること
デメリットは、A案よりも整備費用が多く掛かることと、駅南大通りの車線減少による渋滞の発生リスクが考えられる。
第1段階の『氷見線LRT化』と、『高岡駅ー新高岡駅間のLRT線整備』であれば、事業費は試算されている半分以下に抑えられると考える。
【第2段階】
城端線をLRT化させるのか、新型車両の導入で終わりにするのかは、氷見線のLRT化整備による効果を検証してから、再度検討してもよいのではないでしょうか。そして、氷見線のLRT化を前提に、氷見線で使用した現在の車両を城端線に回すことによる社会実験を行い、再検討の材料にしてもらえればとも考える。
社会実験としては、
1、城端線の運行本数アップ
2、城端線の車両を『あいの風とやま鉄道』に乗り入れて、富山駅まで運行する
社会実験で、1の頻発運行することによる利用者増や、2の富山駅までの運行による利用者動向を調査する。現在のディーゼル車両でも、かつて富山駅まで乗り入れており社会実験は可能だと考える。
城端線・氷見線を100年先に残すために、当初の思いを夢で終わらせないよう十分検討されることを期待したい。