しかし課題なのが、『ボールパーク高岡』(総工費49億円)は規模が小さいことだ。そのため大規模な改修が必要となる。『ボールパーク高岡』は、ボールパークと名乗っているものの、まったくボールパークとは言えない状況でもある。米国的な『ボールパーク』は、スタジアムに隣接して、大型ショッピングセンター・遊園地・ホテル・マンションなどが併設され、野球の試合が開催されない日でも、多くのお客さんで賑わう場所となっている。また、スタジアム自体も、観客と選手の距離が近い臨場感ある観戦を実現している。『ボールパーク高岡』も、大リーグ仕様に改修する必要があるだろう。 改修の参考にしたいのが、2009年に完成した大リーグの「ヤンキースタジアム」。試合観戦を最大限楽しめる為の工夫が施されている。試合中継を見ていても、どのカメラアングルからも観客が映ってくるようになっている。それだけ、内外野ともフェンスが低く、観客スタンドがフィールドに近くなっているからだ。近年、日本でもプロ野球チームのホームスタジアムでは、大リーグスタジアムを参考にしたスタジアムの改造や新築が目立ってきている。楽天イーグルズの「県営宮城球場(コボスタ〜1次改修費32億円、2次改修費30億円)」、広島東洋カーブの「新広島市民球場(マツダズームズームスタジアム〜本体建設費90億円)」、西武ライオンズの「西武ドーム球場(ドーム化改修費100億円)」などは、試合を観て楽しい球場と言えるだろう。
現在、富山県内でプロ野球が開催できるスタジアムは、アルペンスタジアムしかない。3万人収容するアルペンスタジアムの建設費は57億円ほど。一方、『ボールパーク高岡』も総工費49億円を掛けたが、1万人収容に留まっている。また『ボールパーク高岡』の内野は黒土仕様。これは、高校の野球球児に夢をいうことで甲子園仕様にしたということだが、時代はプロ野球選手や大リーグ選手を夢みる時代だろう。更に、富山県内では高校野球の為にということで、既にたくさんの甲子園球場的な野球場が造られてきた。砺波市民球場、黒部宮野野球場、魚津桃山野球場がそうであるように、富山県営野球場や高岡市城光寺球場を含めると、5球場が甲子園仕様となっている。甲子園球場的な野球場がこれだけあるのに、新たに増やす必要性があったのかと疑問に感じる。新潟県立野球場「HARD OFF ECOスタジアム」(建設費84億円、3万人収容・将来のドーム設置も可能)は、NPBの球団誘致を想定したスタジアムとなっており、将来的にはドーム球場とすることも可能だという。