富山市・高岡市を中心とした市町村合併で、政令指定都市(80万都市)の実現を提案するホームページです。ここでは「新星市」構想の旧ホームページを掲載させて頂きます。(1996年に提言書を作成、1998年8月にWEB用として公開、2000年1月に内容を改訂したものです)。政令市実現に向け、皆様のご支援・ご支持をお願いいたします。
はじめに…
今、富山県は、地域間競争・県間競争・都市間競争といった各種の競争にさらされている。そういった中、富山県を取り巻く周辺県が元気である。金沢市・新潟市の都市開発が活発な他、長野オリンピックや岐阜の新首都誘致構想など、積極的な施策が目立って来ている。
富山県は、戦前・戦後を通じて日本海側の発展に牽引的役割を担ってきた。戦前は、県人による起業家が多数現れ、県内はもとより日本でも指折りの企業を生み出してきた。戦後は、富山県政が積極的に開発に努め、新産業都市・テクノポリスなど、日本海側の中でも有数な工業立県に成長した。
しかし、ここにきて富山県の経済力が低下し始めている。若者人口の流出と全国平均を上回る高齢化。隣県の県都及び第2都市の都市開発。周辺県の県政の頑張りなどによる県間競争の激化。こういった状況の中、富山県は北陸・北信越の中で埋没しつつある。このような状況の中で、富山県は重大な危機感を持つ必要が出てきた。他県の一歩でも二歩でも前に出る為、大同団結を図り、今までに無かった思い切った戦略の策定と、積極的行動が求められている。
富山県の場合、実績がものをいう土地柄です。例えば、富山県からは総理大臣が出たことがない。なぜ総理大臣が出ないのか。それは実績がある人でないと、選挙にでれない風習があるからだ。総理大臣に登り詰める人は、代議士の初当選が20才代〜30才前半の人に限られるのです。しかし富山県の場合、いま実績がある人でなければ立候補できない。実績のある人は大概、高齢者。つまり代議士初当選が40才後半〜50才代です。戦後だけでも3人の総理大臣を生んだ群馬県とは、大きな違いを見せています。
また富山県の場合、なかなか時代の流れを先読みして政策転換できてこれなかった点も問題がある。それはスケールが小さくなる傾向として表れているように感じられるのです。
例えば、富山県が国際イベント誘致に名乗りを挙げなかった点や、新首都誘致に名乗りを挙げなかったことにあらわれている。特に遷都候補地に立候補しなかったことは残念だった。遷都というものは千年に一度あるかないかの大チャンスです。誘致に成功すれば、富山県は裏日本から表日本に変われたかもしれません。実際に裏日本で名乗りを挙げたのは、新潟県だけでした。
宮城県では15年程前から新首都誘致構想を持っていた。国会議事堂と首相官邸を仙台市、最高裁判所を山形市、迎賓館を松島に造る。東京と仙台の間は、東北新幹線の他に常磐リニア新幹線を建設して、30分で結ぶというもの。一方、関西でも「重都構想」というものをかねてより持っており、中央リニア新幹線に沿って国の各機関を分散しようというもの。また埼玉県では、「展都構想」といって、やはり国の各機関を東京周辺に分散しようという構想を持っていた。このような各県の取り組みがあって、こんにちの新首都建設構想につながっているわけだが、いかんせん富山からは、新首都誘致構想が出てこなかった。こういった大きいことを考える人が、富山県にはいなかったという事であろうが、これは国際イベント誘致と同様、富山県のレベルがローカル的だという事を象徴しているのではないだろうか。
そしてこの事は、いつまでたっても富山県が地方から抜け出せないことをも意味している。もし岐阜県に新首都を取られたら、長野オリンピック同様、お隣りは立派だけど富山は…という事になりかねない。ましてや現状、都市間競争で金沢に押されっぱなしであり、富山県は四面楚歌の状況に陥ってしまう。
遷都候補地として、本来ふさわしい地域は「北信越」特に「富山県」だったと思う。
1,東京・大阪へは270キロ、名古屋には230キロとほぼ三大都市圏の等距離に位置する。
2,土地も平野部が多く、用地取得が容易である。(土地が余っている)
3,地震・災害も極端に少なく、水は一級河川が5本もあるなど豊富である。
4,自然(海あり山あり)が豊富であり、景観も北アルプス山脈をバックにして国際都市にふさわしい新首都になる。
5,富山湾などを活用して24時間運用の国際空港建設も可能である。
6,高速道路も、東京には中央道ー中部縦貫道ー関東産業道路(構想)のルートと関越道ー上信越道ー北アルプス横断道(構想)でほぼ一直線に整備ができ、約5時間で結ぶことができる。名古屋には東海北陸道、関西圏には北陸道、新潟・東北には北陸道ー磐越道と既に整備が進んでいる。
7,北陸新幹線も富山までの未着工区間が上越ー糸魚川間と魚津ー富山間だけであり、容易に開業できる(東京まで所用時間約2時間15分・大阪まで開通した場合の所用時間1時間45分)。特に整備新幹線を有意義に活用するという観点からも富山県が遷都候補地になることは意味が大きい。
8,新首都で言われるのが東京ー新首都間のリニアモーターカーの敷設であるが、これも富山では容易になる。中央リニアエキスプレスのルートを利用して、ルート上の長野県諏訪から松本市ー大町ー北アルプス直下を抜けて富山にはいるルートを新たに設ければ、建設距離も短く東京・名古屋までは約30分程度で結ぶことが可能です。
9,太平洋側と比べ遅れがちな日本海側の振興に役立つ。特に日本海側にはいまだに政令指定都市が存在しないなど立ち後れが目立っており、いま候補地に挙がっている地域に比べ、かなり意味が大きい。
10,冬場の降雪に関しても、新潟・東北に比べさほどひどくなく、生活面・経済面においてさほど支障がない。以上のように考えてみると、やはり富山県が遷都候補地に最も相応しかったと言えるだろう。まことに残念な状況である。
このような事から考えて、富山県の21世紀キーワードを次のように挙げときたい。
1、これまでの常識を打ち破れる、大胆な発想ができるか!
2、世界レベルへの脱皮と挑戦心!
3、構想実現のための、行動力とリーダーシップ!
4、数値化を持たせた目標達成度の導入!(結果重視)
5、20年30年先を観て物事が考えられかどうか!
6、若年層の登用と台頭!
という事ではないだろうか。
1,エンターテイメントの誘致
○ 国際イベントの開催
このところ日本では、国際的イベント誘致の話題が目立ってきた。これら国際イベントを誘致しようとする各自治体も、積極的な取り組みを行っている。このような国際的イベントを誘致すると、各自治体にとって、どのようなメリットがあるのだろうか。
1、国内・国外に対しての知名度アップ
2、インフラ整備が進む
3、市民及び自治体内の意識向上につながる
4、将来にわたって開催した実績が残る
長野オリンピックを例に出せば、新幹線や高速道路の建設が一気に進んだ他、各種競技施設はそのまま大会終了後も有効利用できる。ホテルや商業施設も増え、都市化が進んだ。長野オリンピック開催で、長野の知名度は国際的に見ても、十分上がったと言える。各スキー場も、オリンピックが開催されたスキー場として、大会後は箔が付くほか、ボランティア活動を通じて、長野県民の意識も前向きになってきている。国際的イベントである為、県職員をはじめ各市町村公務員のレベルアップが進んだと言えるだろう。このように見れば、国際イベントの威力がわかる。勿論良い事ばかりではない。国際イベントを誘致するには、巨額の資金も必要であり、環境にも配慮する必要もある。しかし、この点を差し引いても、国際イベントの誘致は魅力的である。
このような国際的イベントの誘致が各地で活発化している中、我が富山県はこれまで国際的イベントに対して、何ひとつ誘致に名乗りを挙げなかった。これからは富山県でも、このような国際イベントの誘致にもっと取り組むべきだと考える。どうも富山県の気質上、「そんなん富山じゃ、無理だわ」「そんな大それた事できん」「富山は、このレベルで十分やちゃ」「金沢なら、できるんじゃない」といった頼りない、消極的な県民性が災いしているように思える。この県民意識を、県が先頭になって変えていかないと、富山県はこれからの地域間競争に埋没していくだろうし、もう既にかなり埋没しはじめて来ていると感じる。
今後、誘致を期待したい国際イベントとして、「ユニバーシアード大会」「世界陸上」「アジア大会」などが挙げられよう。
○ プロスポーツの誘致
最近、地方都市でもプロのスポーツチームが増えてきている。野球・サッカー・バレーボール・バスケットボール・ラグビー・アメリカンフットボールなどが挙げられるが、特に地方で根付こうとしているのがサッカーである。Jリーグは、99年から2部制に移行し、1部16クラブ・2部13クラブで入れ替え制のあるプロサッカーリーグになっつた。2部参加の条件は、クラブの法人化・固定席1万人以上のスタジアム確保・プロ契約選手5人以上の保有の3点。現在、このJリーグ2部に参加しているチームは、モンディオ山形・水戸ホーリーオック・ヴァンフォーレ甲府・サザン鳥栖・大分FC、そしてアルビレックス新潟など、多くは地方チームである。これには鹿島アントラーズの成功がある。人口、わずか5万人足らずの鹿嶋市で、多くの観客動員や応援によってプロチームが成り立つことを証明したのである。アルビレックス新潟は、地元151社に上る企業・団体の支援を受け、Jリーグ2部入りを果たした。新潟市は2002年ワールドカップサッカーの開催地に選ばれており、アルビレックス新潟とともにサッカー王国を目指している。また金沢市でもJリーグ入りを目指した動きがある。
富山県も優れた競技施設を活用として、プロ野球球団・Jリーグチーム・Vリーグチームの誘致を、強力に進める必要がある。例えば、プロ野球であれば東京に球団が集中しており、日本ハムやヤクルトの誘致を検討したり、プロ球団誘致を検討している他都市、例えば札幌や仙台と協同でプロ球団増設の運動を行うことも考えられるだろう。またプロの2軍をアメリカマイナーリーグのようにフランチャイルズにして、地方に持ってくることも検討できる。一方、Jリーグでは、北信越リーグのYKKサッカー部と2000年に北進越リーグからJFL(J2の一つ下のリーグ)へ昇格したアローズ北陸(北陸電力サッカー部)を合併し、J1リーグ入りを目指すプロサッカーチームの誕生を期待したい。バレーホールのVリーグには、1999年にV1女子リーグ(Vリーグの一つ下のリーグ)に昇格したKUROBEアクアフェアリーズがもっとも近い位置におり、今後の各方面からの支援を願いたいものだ。
富山にもこのような大型のスポーツ環境を根付かせる必要があるだろう。
○ エンターテイメント産業の育成
富山と金沢を比較した時、やはり見劣りすることはエンターテイメント系企業の数と質が富山には少なすぎるということ。例えば金沢には、雑誌「CLUB」を発行する金沢倶楽部がある。CLUBは地方のタウン誌としては、内容・デザインとも中央のファッション系雑誌に負けないものがある。そして今度は「金澤」という新雑誌を創刊し、金沢の情報を全国に発信しようとしている。金沢倶楽部自体、雑誌発行のほかに広告代理店・イベント興行・モデル事務所も行うほどに成長している。この金沢倶楽部を参考に福井では、広告代理店エーアンドアイ社が「URALA」という雑誌を創刊し、福井ではかなりの浸透を見せている。模倣が良いとは言わないが、富山にはそのような雑誌が現在無い。また、コンサートなどイベント興行を行っている企業として金沢にはFOB企画とキョウドー北陸がある。FOB企画は積極的に有名アーティストの金沢公演を誘致しており、今では新潟・長野にも進出している。勿論FOB企画がある為、有名アーティストのコンサートはいつも金沢で行われ、そして富山を通り越して新潟・長野へ行ってしまうのである。
この他、金沢タテマチ通りでは「吉本劇場」を誘致。毎週末に大阪から若手お笑い芸人が多数やってくる。週末のタテマチ通りは、富山や福井からも若者が訪れ、通りは富山にはない賑わいを見せつけている。
アミューズメント系企業も、金沢が一歩も二歩もリードしている。ルネスかなざわは富山でも有名であるが、今や東京・大阪でも営業をかけている。施設も、温水プール・スパ施設・宴会場・リゾートホテル・ゴルフ練習場・大型アミューズメント施設(ボーリング場・ゲームセンター・3Dシアター・小劇場)・シネマコンプレックス(9スクリーン)を有する規模までに成長してきた。
富山を面白くするためには、テレビ局を含めた映像系企業は勿論、出版・広告代理店・アミューズメント企業・コンサートなどのイベント開催を行う興行系企業・それに付随したタレント事務所などなど、こういったエンターテイメント系企業の育成・支援や中央からの誘致も重要になるでしょう。例えば富山県と繋がりの深い、角川書店の北陸オフィス誘致は大きな意味を持つと考えます。角川書店のタウン誌「Warker」やザ・テレビジョンなどの北陸版の制作を、富山で行ってもらう意義は大きい。また、角川映画による富山をロケーションとした作品も実現可能性が出てくると考えます。
○ 観光資源もエンターテイメント化を図る
富山県は、まだまだ観光資源を有している。しかし、この観光資源を生かしきれてないのが実状です。例えば国宝に指定された瑞龍寺は、観光客も増加して貴重な観光資源となりそうなのだが、大型駐車場整備と土産物店の整備が遅れている。
京都の清水寺のように、瑞龍寺と大型駐車場の間を仲見世通りとして整備する案がある。この場合多くのお店を整備しなければならず、現状の瑞龍寺ではかなり厳しい。もう一つの案としては、大型駐車場に隣接し大型の土産物センターを設置する案がある。山形の米沢市にある上杉神社を例として挙げたい。この米沢の場合、大型バスをはじめ一般駐車場として200台程度収容でき、これに隣接して大型の物産センターが設置されている。ここでは、山形県のおみやげがすべて揃っているといってよい程の商品が売られている。また、米沢牛を扱った大衆レストラン・本格的フランスレストラン・しゃぶしゃぶなどの和風レストラン、出店的なファーストフードもある。瑞龍寺の場合も多いに参考になるのではないだろうか。ただ駐車場をつくるだけでは観光資源を活かしたとはいえないのだから。
また、富山県が生んだ天才まんが家「藤子不二雄」さんを活かしたいという声も多い。特にドラえもんランド構想は、是非富山県で実現したいものだが現実はなかなか厳しいものがある。そのネックとなるのが集客力。人口100万足らずの経済力では、テーマパークは建設できないし維持も難しい。しかし、可能性を探らず無理と諦めてしまうのもどうかと考える。
例えばテーマパークをつくる前に「ドラえもん町」(高岡市ドラえもん町…)をつくります。ここに、住宅団地(住宅・マンション)・工業団地(研究・開発)・商業施設などを分譲販売します。この分譲販売金額に、藤子・F・不二雄記念館やテーマパークの建設費を上乗せして財源を確保します。高速道路の新規インターチェンジ建設の際に取られる開発型と言われる手法を応用するのです。住所に「ドラえもん」という地名が使えることは、企業や住民にとって非常に魅力的であり、可能性が広がると考えます。特にドラえもんをCMに使用している企業の誘致が考えられるでしょう。また、富山県には無いテレビ朝日系の民放新局を誘致し「ドラえもんTV(ティ・ヴィ)」という名称で開局出来れば、全国へ向けてのPRになると考えます。この分譲販売及び藤子・F・不二雄記念館・テーマパークの運営を、第3セクター企業を設立して行います。そして、将来構想のドラえもんランドに繋げていくよう検討してゆくのです。また、毎年5月4日・5日に「ドラえもんまつり」を高岡市で開催することで実績を重ねていく必要もあるでしょう。
2、百万都市(政令指定都市)をつくる
○ 「負け組」富山県の現状把握!!
今、金沢市がとても元気である。ここ10年で市街地再開発がかなり進み、週末になると富山県からも買い物客が大挙押し寄せてる。また、北陸大学の2学部増設、金沢学院大学、金城大学、県立看護大学、北陸科学技術大学院大学の開学などや多くの専門学校の開学で、一層、学園都市として充実してきた感がある。更に、駅前・駅西を中心に、道路整備が一気に進んでいる。駅西の50メートル大通りは、金沢駅西口から金沢港まで全線が開通した。金石街道の6車線化拡幅工事もほぼ完成に近づいている。駅前から武蔵ヶ辻までの新規4車線道路も暫定的に開通。これらの道路沿いを中心に、新規のオフィスビルが多数建ち始めており、かなりの勢いで都市化が進んでいる。香林坊から武蔵ヶ辻にかけて、オフィスビルのカーテンウォールが出来あがっているが、これが今、武蔵ヶ辻から金沢駅周辺・駅西50メートル大通りに伸びようとしている。北陸自動車道の連続立体高架化に加え、JRも連続立体高架化が完成し、大都市並みの様相を見せている。北陸自動車道には、金沢東インター・西インターに加え、金沢月浦インターの建設が進んでいる。また。金沢を取り巻くように、高規格幹線道路の建設が、富山県より先にすでに始まっている。東部環状道路(全線の80%がトンネル道路)、環状道路海岸線(連続立体高架化8車線道路)、国道8号線津幡地区の自動車専用道路化など、数え挙げるだけでもこれだけある。金沢市は人口45万人。いま金沢市は周辺都市(松任市・野々市町・内灘町など)を含め、ミリオン構想を進めている。つまり100万都市圏づくりをするのが狙いである。
一方、新潟市も、上越新幹線・関越自動車道の開通を境に、徐々に実力をつけている。新潟空港の拡幅計画は、24時間の国際空港化、新幹線の乗り入れ化も検討されている。都市部でも、伊勢丹百貨店・ラフォーレ原宿・新潟サティといった中央大手の商業施設進出が目立ってきた。また高等教育機関でも、新潟国際大学の開学など取り組みが実りつつある。JR新潟駅前のビル化も進んでいる他、出来島周辺の都市再開発など、大型再開発も目立ってきた。
新潟市の人口は49万人。こちらは、周辺都市との合併が取りざたされており、日本海側初の政令指定都市(85万人以上)及び100万都市化を目指している。また、首都移転誘致にも積極的に名乗りを挙げた。
長野市では、98年の冬季オリンピック開催を境に、大きく発展しようともくろんでいる。人口36万人ではあるが、長野新幹線・上信越自動車道の開通やオリンピック道路といわれるインフラ整備が充実している。特に、エムウェーブ・ビックハット・ホワイトリンクなどのオリンピック関連施設は、地方都市には今後まず出来ない施設であり、長野市にとっては大きな財産となっている。また長野電鉄では、市街地を走る約3キロが地下鉄化され、周辺地には新規のオフィスビルが多数建ち始めてきた。かつて、札幌市は冬季オリンピックを機に、100万都市まで一気に成長した事を考えると、長野市も札幌の時とまではいかなくともかなりの発展が予想されだろう。ちなみに20年前までは、富山市と長野市の人口はほぼ拮抗してたのです。
これらの元気な隣県都市に挟まれ、富山県はかすみ始めている。富山市の人口は現在32万人。98年、発表された富山市の総合計画では、20年後の富山市の人口設定を40万都市としている。つまり、今後20年かけても金沢・新潟には及ばないということになる。むしろ人口増加どころか99年には、社会人口の減少分が自然人口増で補えなくなり、ついに人口減少市の仲間入りを果たしてしまった。県第2都市高岡市も人口減少傾向が止まらないことから、富山県はいよいよ地域間競争の「負け組」に入ったと言ってよいだろう。特に高岡市の衰退が著しい。現在、高岡市は人口17万4千人。15年前の人口17万8千人を境に、人口は減り続けており歯止めがかからない。その間に、松本市(人口21万人)長岡市(人口19万人)に抜かれ、更にこのままでいくと、小松市(人口11万人)や上越市(人口13万人)にまで抜かれる危険性が出てきている。
小松市では、都市再開発が進んでいる。特にJR小松駅の連続立体高架化事業(総工費360億円)がスタートしており、新幹線現駅併設を見越した建設が進んでいる。また小松空港の国際化・第2滑走路構想・FAZ構想や、小松市から松本市側に抜ける中部縦貫自動車道構想もあり、これら高速交通機関が整備されると、高岡市など目でない状況となる。また上越市では、お隣りの新井市などとの合併を含め、30万都市構想を進めている。上信越自動車道や北越急行線などの高速交通体型の整備も順調のようだ。
これに対して高岡市の将来像が全くはっきりして来ない。元気だった頃の高岡市は、経済的にも商業的にも、福井市(人口25万人)にも負けないものがあった。北陸初の地下街を建設したり、駅前大通りの整備、美術館・体育館・市民会館は北陸でもトップレベルの規模を誇っていた。しかし、このままでは高岡市は非常に危ない状況にある。20年前からその必要性が言われていたJR高岡駅の連続立体高架化は、今だに具体化しない。この20年の間に、金沢駅は高架化が完成し、小松駅・福井駅の高架化が具体化してきている。福井駅は既に建設が始まっており、JRと京福電鉄を高架化し、その上に新幹線を通すという大規模な三層高架化事業である。総工費は570億円(新幹線部分を除く)とも言われている。これらの主要駅(富山・金沢・小松・福井)は、すべて新幹線駅は現駅併設である。高岡駅だけが分離駅、しかも現駅も高架化されないまま。更に、高岡市の経済をこれまで支えてきた企業の高岡離れが目立ち始めてきおり、早急な対策が必要である。
富山県は、富山市を「県都」と表して、さまざまな支援を行っている。市街地整備をはじめ都市再開発や行政施設の設置などなど。その力の入れようは、富山市と高岡市の状況を見れば一目瞭然である。しかし、都市間競争で富山市をはじめ富山県自体が「負け組」に入った以上、そろそろ「県都」という考え方を、見直す必要があるのではないだようか。富山市一辺倒の中心的な政策では、もはや金沢市・新潟市・長野市に追いつくことは勿論、付いていくことも難しいことを認識すべきでしょう。
○ 魅力がない富山県!
富山県が隣県に比べ、あきらかに魅力を失っていることがはっきり現れているのに、民間企業の対応の違いがある。その例として民放テレビの4局化が挙げられる。
新潟県・長野県・石川県は中央キー局の強い開局ニーズで、既に4局化されている。特に石川県では、人口が118万人しかないのに4局化された。全国で4局化された県の中で、最も人口が少ないのが石川県である。これは中央キー局が石川県に系列局が欲しいというよりは、金沢市に系列局が欲しかった事によるもの。新潟県では、更に民放テレビ5局化と民放FM2局化の動きがある。この内、民放FM2局化は、2000年秋の開局が決まった。これは地元企業40社を越える開局申請要望で実現するもので、大変異例なことである。かつて各都道府県全域をサービスアリアとする民放FM局として、2局化された地域は、東京都(関東広域圏)・大阪府(関西広域圏)・愛知県(東海広域圏)・北海道・福岡県の5地域のみ。政令都市のある宮城県や広島県でさえ民放FM局は1局である。新潟市では、この民放FM2局化の他に、コミュニティFM局が隣接都市を含めて3局あり、合わせて5局の民放FM局を聴取することが出来るのです。これに対して富山県は中央キー局の開局ニーズがあまりにも低い。民放テレビ3局化もかなり苦労したが、民放4局目が全く見えてこない。富山に系列局を持たないのは、テレビ朝日系とテレビ東京系。テレビ朝日は、ここ15年で全国に系列局を10局増やしたが、その中に石川・長野が含まれ富山ははずされた。これが現実である。今だにテレビ朝日の富山進出は話しにも出てこない。
更に深刻なのが、中央出先機関の金沢集中化である。これまでも、国の出先機関が金沢市に集中していたが、中央大手企業の北陸オフィスも、新規に開設される多くが、金沢市に集中している。例えば、ここ数年で急成長した携帯電話各社。その北陸支社のすべてが金沢市に集中した。北陸電力系のアステル(PHS)でさえ、富山市ではなく金沢市に本社を置いたのである。また北陸地域の企業合併が、急速に進んでおり、その合併企業のほとんどが金沢市に本社を置くようになってきた。つまり富山県の企業が、金沢市に流れているのである。このことは、富山の経済界にとっては大きな意味を持つ出来事ではないだろうか。企業の流失は、県財政にとっては法人税の減収になるほか、人口の流失に拍車をかけることとなる。こういった金沢市集中化をあらわしているのに、テナントビルの増加と自社ビルを建てる企業んの増加がある。駅西大通りなどでは、10年前までは何もなかったのに、今ではオフィスビル街に変貌しつつある。更に石川県庁の駅西移転により、JR金沢駅から金沢港までの約6キロを、巨大なビジネスゾーンにしようとしている。
○ 全国で動き出したM&A
今、地方を見ると、地方圏の「ミニ一極集中」化が進みつつある。つい最近までは、東京を中心とする一極集中化が言われていた。産業・情報・人口ともに、すべてが東京に集まっている状況である。しかし今、地方圏でもミニ一極集中化がいわれまじめてきている。特に、福岡市・札幌市・仙台市と言った、ブロック中核都市が際だっている。これらには、大型商業施設や先端技術産業の集積が高まっており、人口も高い伸びを続けている。福岡市で1.07%(年間)、札幌市で1.00%、仙台市で1.11%と言った人口の伸びである。ミニ東京化(一極化)している都市では、ブロック周辺隣県からの人口流入が加速した為であり、今後も続くものと思われる。これらの都市は都市競争・地域間競争の「勝ち組」といえるだろう。これに対して、それらの都市のブロック周辺各県は軒並み、人口を減らしている。隣県都市の中には、佐賀市・長崎市・山形市・秋田市など県庁所在地でありながらも人口が減少し始めている都市もある。つまり、「負け組」と言える。
この事は、富山県にとっても他人事ではない。富山に本拠を置いていた企業やエリア支店が、金沢へと移転していくケースがここ最近目立ってきており、これに伴ってか、人口の富山県から金沢市圏への流出も増え始めている。このまま放っておけば、金沢市の北陸ブロックにおけるミニ東京化が進む危険性が高い。現に富山市の人口が、減少に転じており、高岡市とともに都市間競争で「負け組」に入ったこととなる。これは、地域間競争で富山県自体が「負け組」に入ったことをも意味する。いま富山県がこれに対して思い切った対策を打たないと、他のブロック各県のように手遅れの状態になるだろう。その為にも、富山県は現時点で「負け組」なんだという自覚を、持つ必要がある。
97年6月末に、大宮市と浦和市が2001年までに合併すると発表があった。大宮市と浦和市それに与野市が合併し、新しい政令指定都市・100万都市が誕生する。10年程前からこの合併は話題になっていたが、2000年に完成する、大宮操車場跡地の大型副都心に間に合わせる為、何とか両市が合意にこぎつけた格好である。この大型副都心構想は、国の出先機関や省庁の機能の一部が大挙、東京都から移転してくることになっており、千葉幕張や横浜みなとみらい21に並ぶ規模になる。埼玉では、この新都心を中心に脱東京・脱だ埼玉を目指そうとしている。
一方、全国的に見てみても、こういった大型のM&Aを模索する地域が増えてきた。特に、政令指定都市・中核市を目指すものが多い。その内、政令指定都市はそのまま大都市を意味するわけで、他都市に大きく差をつける為にも、政令指定都市を目指す地域が多くなってきている。また、政令指定都市・100万都市には、それぞれ国からの補助金も大きく増加するほか、各種の事業補助が受けられるようになる。
現在、政令指定都市は全国に12都市。札幌市(175万)仙台市(100万)千葉市(87万)川崎市(120万)横浜市(330万)名古屋市(215万)京都市(146万)大阪市(260万)神戸市(142万)広島市(111万)北九州市(102万)福岡市(128万)。
これらの政令指定都市は、関東・関西圏を除けば、残りは地方を代表する中心都市である。さいわい北信越に政令指定都市はまだない。現在、政令指定都市を目指している地域は、下記の通り。
●大宮市・浦和市・与野市の合併(100万)
●新潟市を中心に周辺都市の吸収合併(85万)
●高崎市・前橋市を中心に周辺都市との合併(70万)
●船橋市・習志野市を中心に周辺都市との合併(90万)
●静岡市・清水市の合併(70万)
●浜松市を中心とした周辺都市の吸収合併(108万)
●堺市(80万)
政令指定都市の目安は85万人。この数字にする為、かつて北九州市・広島市・仙台市は周辺都市との合併を行って実現してきた。特に広島市・仙台市は何とか85万人の数字にするのに大変苦労したようだが、政令指定都市になってから100万都市にするまでは、一気に進んでいる。それだけに、この政令指定都市は魅力的である。
○ 大都市をつくろう!!
現在の富山県を見る限り、これまで通りの開発方法では県間競争に生き残っていけないことは明らかです。富山市や高岡市は、もはやそれぞれ単独に発展させることは難しいのです。「負け組」からの脱皮は、思い切った大型合併しかありません。富山・高岡両市を中心に大合併することが出来れば、必ず全国の都市間競争・地域間競争の「勝ち組」になれるでしょう。このことは、富山県が今後生き残っていく為の、最後の手段とも言えます。
そこで、富山市・高岡市・新湊市・砺波市・射水郡・婦中町の大合併を実現し、65万都市「新星市」(仮称)をつくります。勿論、日本海側最大の都市です。そして北信越(新潟・長野・富山・石川・福井)の中枢管理都市を目指し、更には北信越初の政令指定都市・100万都市を実現させます。北海道の中心都市は札幌、東北は仙台、東海は名古屋、中国は広島、九州は福岡。それと同じように北信越は新星を目指すのです。
この新都市「新星市」(仮称)の面積は、640平方キロメートルとなります。一見すると、市の面積としては大きすぎるのではないかと思われるでしょうが、実は東京23区の面積(620平方キロメートル)と、ほぼ同じなのです。また富山市と高岡市では、文化がかなり違うので難しいのではという向きもありますが、東京では下町と山の手で文化が大きく異なりますし、大阪では浪速と河内、福岡でも博多と福岡というように、大都市では文化の違いは付き物と言えるのです。問題なのは、やるかやらないかの違いなのです。
○ 戦略性を持った合併
この合併構想では、あくまで北信越の中心都市づくりを目指しますが、このまま合併しても65万都市です。そこで、なんとしても政令指定都市を目指します。その為に戦略を講じたい。
今、政令指定都市になる条件は、都市人口が85万人以上とされています。この指定条件を緩める必要がある。条件を緩めるといっても65万都市以上にしてくれという訳ではない。そうではなく政令指定都市になる条件を増やすのです。現在、政令指定都市の下に中核市制度がある。富山市は、中核市の第1次指定を受けたが、この中核市を活用します。中核市の条件は、1・人口30万人以上、2・昼間人口が夜間人口より上回る、3・市の面積が100平方キロメートル以上。政府では、地方自治の効率化の策として市町村合併を推奨している。しかし、現実的にはあまり合併が進んでいるわけではない。そこで、地方都市からの提案として、「中核市と中核市が合併するのであれば無条件で政令指定都市になれる」ように働きかけるのです。つまり政令指定都市になる条件は、85万人以上の都市または中核市同士の合併による都市とするのです。
そこで新星市誕生の為に、中核市をふたつ作るのです。富山市はすでに中核市ですが、高岡市を中心にもうひとつ中核市をつくるのです。高岡市・新湊市・砺波市・小杉町・大門町・大島町・下村が合併して30万5千人都市をつくります。人口・面積条件を満たしますし、昼間人口比も100を越え中核市となれます。新高岡市が中核市に移行して3年を目途に改めて富山市・新高岡市・婦中町が対等合併をして、いっきに政令指定都市に認定してもらうのです。
しかし、このチャンスはそう長い間ありません。というのも今後、少子化のなか人口が著しく減少することが予想される事や、高岡市の人口流失が若者層を中心に増加傾向にある事などから早い時期の実行が求められるのです。そこで中核市高岡市の実現目標を2003年とします。そして政令指定都市新星市の実現目標を2005年と設定します。
3、新県都「新星市」の可能性
○ 新県庁舎と新市役所は現小杉町に設置
新星市は、あくまで富山と高岡の一都市化を目指すと同時に、新星市全体の均衡ある発展を考えていきます。そういった意味で、新県庁舎と新市役所は、富山と高岡の中間に位置する呉羽・小杉地区に建設します。特に現在の県庁舎は老朽化が著しく、手狭にもなってきていることですから、合併を機に建て替えを検討したい。
しかし、富山市の抵抗もあるでしょうから、限りなく小杉町に隣接した現富山市西二俣への移転を検討する。富山市西二俣は、国道8号線と県道富山高岡線が一番接近している地域であり、近くには南北に走る4車線道路の県道349号線もあって、交通の要所となっている。また、富山西インターや富山外郭環状道路(地域高規格幹線道路)も建設されることから、この地域への県庁舎移転は大きな意味を持つ。更に、富山市街地と高岡市街地のちょうど中間地点(それぞれ都心部へ9キロ)でもある。そして、西二俣・鷲塚・白石周辺を区画整理して、新星市の副都心化を図っていきます。また、計画中の富山高岡連絡道路(地域高規格幹線道路)を、国道8号線と県道富山高岡線の中間を通過するよう検討し、本線(連続立体高架化4車線)と側道(4車線)の8車線道路を整備します。
また新県庁舎は、将来の増築が行えやすい設計とする。いきなり大きな庁舎を建設するのではなく、仕事量に合わせた増築が容易にできるようにしておくのです。例えば、新庁舎の設計を40階建て対応にしておき、実際に建設するのは20階とする。事務量が多くなり手狭になってきたら10階づつ増築する手法を検討する。同じように新市役所も、設計を30階建て対応にしておき、実際に建設するのは16階。7階づつ増築する手法を検討する。
さらに新庁舎のデザインも重要です。近年、全国で庁舎の立て替えが進んでいますが、いずれも同じ様なデザインであり、地味な色彩が多い。富山県庁舎と新市役所は、統一のデザインでロサンゼルス市役所のような白壁の目立つ建物を参考にしたい。一度訪れると、絶対忘れないような庁舎を目指す必要がある。
さて、現県庁舎跡地の利用だが、中心市街地にほど近いということもあり、多くの人が働くとこのできる施設を検討する必要がある。例えば、国際的な機関の誘致も良いであろう。国連アジアセンター、北東アジア交流センターなどを考えたいものです。
○ 6つの区役所設置
新星市の区役所は、6つ設置します。それぞれの区分けは、富山区・中央区・婦中区・新湊区・高岡区・砺波区。各区役所は既存の市役所(町役場)をそのまま活用します。尚、新湊区は小杉町役場を使用します。これは名称に新湊を使用する代わり、役場は小杉町に置くことで地域感情に配慮する目的も持っています。
・富山区=現在の富山市の内、神通川西側(呉羽)・南部を除いたエリア。
・中央区=現在の富山市神通川西側(呉羽)・下村エリア。
・婦中区=婦中町と富山市南部をエリア。
・新湊区=新湊市・富山市呉羽・小杉町・大島町・大門町をエリア。
・高岡区=現在の高岡市の内、戸出・中田を除いたエリア。
・砺波区=砺波市と高岡市戸出・中田をエリア。
各区は、出来るだけ独自性・独立性を発揮できるようなシステムづくりを目指し、個性ある都市化を図ることで、他都市には無い特徴ある大都市を目指すのです。
○ 環状鉄道は都市化を進める!
新星市は広域型大都市を目指します。つまり、札幌・仙台・名古屋・広島といった大都市よりは、東京や大阪といった大都会を目指します。何が違うかというと、街の顔をいくつも持つという点。通常の大都市の場合、顔は1つないし2つですが、東京・大阪の場合、街の顔は複数有しているのです。この街を後押ししているのが、環状鉄道。新星市の場合、既に広域に街が広がっており、これらを環状鉄道で結んで、都市化の後押しを図ります。富山県の場合、かねてより富山と高岡を結ぶ環状鉄道やモノレール構想が浮かんでは消えていきました。しかし合併を機に具体化できるのではないかと思います。
新星市環状鉄道のルートは、JR富山駅を起点に、地鉄大川寺遊園線に沿って南下し南富山へ、そして荻原を通過して神通川を渡って婦中町へ。JR速星駅で高山線とクロスし、富山医科薬科大学南部、太閤山ランド南部を通って太閤山団地南部へ。県道58号線(高岡・小杉線)の南側に沿って高岡市に入り、二塚から北上しJR高岡駅へ。氷見線に沿って北上、古定塚から下石瀬を通り、庄川を渡って新湊へ。宮袋・中曽根を通って海王町、富山新港を渡って海竜町へ。海老江・本江を通り南下、倉垣・八幡付近を通り、八ヶ山・石坂ときて神通川を渡ってJR富山駅に入る。全長約60キロ。JRや地鉄が乗り入れられるよう既存の鉄道方式で建設する。全線複線高架化(都市部は連続立体高架化)、駅は既存駅を含め30駅。総事業費は推定2,500億円。建設は県主体、運営はJRとする。
これからの都市エコロジーを考えれば、鉄道は不可欠です。環境立県・環境都市宣言を意識した都市政策の一環として位置づけて整備します。また、この環状鉄道を建設する際には、その沿線周辺の事前開発が大変重要になってきます。ニュータウンの建設、アクセス道路の整備、環状線に沿った形での幹線道路整備、各駅周辺の区画整理、高等教育機関の誘致、公共施設(体育館・ホール会館等)の建設、郊外の公共大型駐車場(パークアンドライド)などを事前に整備しておく必要がある。
環状鉄道は、新星市の都市化を進めるのに、絶対必要なものです。他都市に圧倒的な格差をつけることが可能となり大きな起爆剤となる。企業誘致・イベント誘致・人口誘致・高等教育機関誘致などに、優位な状況をもたらすことができるでしょう。
環状鉄道の整備とともに重要になってくるのが、JR北陸線の高架化。新星市はJR北陸線を挟んで南北に分断される格好になる為、JR北陸線の高架化が問題である。特に呉羽から大門間は、新星市の発展のカギを握る地区であり、障害物は取り除きたい。この区間は、人口が増加してるにも関わらず、踏切が数多く、道路の立体高架橋も少ない状況であり、鉄道高架化の条件は整いつつある。北陸線の高架化案としては、新幹線ルートに沿ってJR北陸線の呉羽駅と越中大門駅間を、連続立体高架化して、(新)小杉駅をはじめ2〜3の新駅設置を目指します。特に、新県庁舎移転先の近郊には、JR北陸線の新駅を設置します。北陸新幹線の高架を3層高架化し、3層部分を新幹線、2層部分をJR北陸線を通します。新幹線高架と一緒に高架化することで、事業費を抑える事ができます。推定事業費は、JR小松駅の連続立体高架化と同じ規模(350億円)程度を想定します。富山高岡広域都市圏の都市一体化は、富山県にとって重要な役割を担っています。JR北陸線の高架化と県庁舎移転は、欠かすことが出来ない事業といえるでしょう。
○ 既存鉄道活性化策
かつて、路面電車は全国の主要都市で走っていましたが、昭和30年代から始まったモータリゼーションの波で、東京・大阪では地下鉄に取って変わり、また、地方都市では、マイカーに押され路面電車はなくなっていった。
しかし、再び路面電車が注目を集めています。それはモノレールや地下鉄に比べて、路面電車は安く建設出来る点。例えば地下鉄であれば、キロあたりの建設費が300億円とも言われるが、路面電車の場合は10億円程度で済む。ヨーロッパでは、環境面や公共性からライトレールとして重要視されており、国内でも運輸省が、地方中核都市にライトレールの導入を検討している。
さて富山県内には、富山市内軌道線(富山地鉄)と万葉線(加越能鉄道)の2路線が存在する。このうちの万葉線であるが、やはりマイカーに乗客を取られ赤字経営が続いている。沿線の都市化も進んでいないため、交通渋滞すら起こらない状況であり、万葉線を立て直すのは容易な事ではない。万葉線に関しては、第3セクターによる存続か全面廃止かで、いろいろ議論がわかれているが、両方を想定した活性化案を提示したいと思う。
<万葉線活性化案>
1、白線乗り場の廃止
現在、万葉線には、白線を引いただけの乗り場が多く存在し、乗降客の安全確保という点で問題である。また、屋根付き駅を設ける必要もある。いかにして乗客に快適感を与えるかが、利用客増に繋げるポイントです。
2、終電を遅くする
高岡駅発の終電は夜10時。一方お隣りの金沢では、郊外に向かう終バスは0時近くまである。これは一杯飲んでからでも、十分にバスに乗れるということ、実際に多くの乗客が利用している。高岡では、一杯やるともう帰りの心配をしなければならない。夜の高岡を少しでも賑やかにする為にも、終電は夜11時代にする必要がある。
3、沿線の開発促進
沿線の都市化が進んでいない事も、万葉線には重要な問題です。オフィスビル・商業施設・マンション・住宅団地、いずれも増えていない。沿線の都市開発を行ってこなかった事も、不振の一因です。
(1)沿線の居住開発促進
市民病院前から能町口の間に、約4千戸を目標にマンション及び宅地開発を進める。高伏線は高岡の都市軸であり、ここの開発の遅れは即高岡の沈滞化に繋がる。
(2)沿線に高校・大学の誘致
電車・バスを最も利用するのが、学生である。ところが、万葉線の沿線には高校・大学が全く無い。これも、万葉線不振の一因。いかに学校を増やすかを検討すべきです。
(3)平行バス
万葉線に平行して、バス路線があるのも問題です。効率が非常に悪く、バス路線の見直しを検討する必要がある。
4、トラム文化の育成
名称を路面電車とは言わずトラムと呼ぶ。『万葉トラム』
トラムと言えば香港の二階建てトラムが有名であり、独特の文化を持っている。道路の中央まで突き出したネオン看板をスレスレのところで通過し、超高層ビル街の中を走る姿は、とても異国情緒漂うものである。万葉トラムも高岡独特なトラム文化として育てる必要がある。
5、高速ノンステップ車両の導入
欧州は路面電車の多いところであるが、最近登場してきた新型車両は、流線型超低床式の近未来的なものが多い。熊本県に登場した新型車両は、ドイツのベンツ社製、日本初のライトレール型の車両といえる。ノンステップ型で複数連結のできるうえ、郊外では高速運転(100キロ)も可能という優れ物。万葉線も導入を検討したい。
6、運行間隔を短縮
万葉線の便数は15分間隔と利便性が悪い。富山市の路面電車は5分間隔であるが、万葉線も時刻表が要らずに、待たずに乗れる運行間隔にする必要がある。
7、氷見線・城端線と万葉線の相互乗り入れ化
JR氷見線・城端線を電化して万葉線と相互乗り入れさせる。氷見線とは、米島口で接続。城端線とは、万葉線をテクノドームあたりまで南伸させて接続させる。路面電車は低床式の為、ホーム(乗降場)の新設が容易になることから、氷見線・城端線に新駅を増設させる。片原町ー本丸会館前間は道路拡幅させ万葉線の複線化を図ります。高岡駅前ー片原町間は買い物公園化させて複線化します。末広通りの買い物公園化は、歩道を広く取り、欧州型の都市構造を模索します。アーケードを含めた歩道は、欧州で実際使用されている石畳を採用。街灯や店舗の形態もヨーロッパ式で統一させ、オープンテラス的な雰囲気を持たせます。またビルの形態もヨーロッパ指向のデザインにする。
8、JR貨物の万葉線乗り入れ
JR新湊貨物線をJR新湊駅(貨物)から万葉線(中伏木ー中新湊間)に乗り入れ、富山新港にコンテナ貨物ターミナル駅を設ける。
9、新湊堀岡までの延伸
富山新港に大橋を架ける構想がありますが、その際に万葉線を堀岡まで延伸する。東埋め立て地には、近畿大学水産研究所があり、将来的に近畿大学富山キャンパスを誘致する。
→但し、環状線が実現する場合は、万葉線の能町口ー越の潟口は廃線とする。その為、JR貨物の富山新港乗り入れに関しては、環状線構想で対応する。
10、末広町ー金屋町ー美幸町ー羽岡間の新規路線検討
末広町ー羽岡間の新規路線であるが、美幸町周辺には高校が3校あるほか金屋町の観光スポットやオフィスなどもあり需要が見込める。そして、テクノドーム周辺と羽岡周辺に大型駐車場を設置し、パーク・ライド・システムを導入。氷見(能登)・砺波(飛騨)方面からのアクセス確保を図ります。
瑞龍寺・金屋町・大仏といった観光地を、万葉線で結ぶことによって、市民の足だけではなく観光としても万葉線を活用する。特に、高岡大仏は、むかし坂下町の下から拝めたのですが、新しい台座を後ろ側に作ったため、大仏さまが見えなくなってしまった。この高岡大仏も観光の目玉として、再び前の方に移動し坂の下を眺めてもらえるようにする必要性がある。
<万葉線廃線の場合>
1、バスレーン化
万葉線(高岡駅前ー米島口間)の軌道をバス専用レーンとして、そのまま活用する。名古屋のバスレーンを参考。
2、バスの近代化
廃線にする以上、徹底的にバスの近代化を図る。バスレーンを走るバスは、ノンステップバスを大量導入し、5分間隔の運行を目指す。
3、JR新湊貨物専用線の旅客線化
万葉線の中伏木駅ー越の潟口駅間をJRに譲渡し、JR新湊貨物専用線の旅客鉄道化と合わせて、JR新湊線とする。能町ー中伏木駅間には、2駅設置する。また新港大橋を利用して堀岡まで延長するのと、富山新港コンテナ貨物ターミナル駅も設置する。
→但し、環状線が実現する場合は、環状線構想で対応する。
4、氷見線に新駅増設
氷見線の高岡ー越中中川間に1駅、越中中川ー能町間に2駅、能町ー伏木間に1駅の合わせて4駅を新設する。
一方、富山市の市内軌道線(富山地鉄)であるが、全国でも数少ない黒字経営ではあるが、毎年乗客は減り続けており、今の内から将来のあり方を検討及び実行をしていかなければならないでしょう。そこで考えたいのは、JR富山港線と地鉄大川寺遊園線を含めた有効活用を検討したい。その案として2案提示します。
1、地下鉄化案
市内軌道線のJR富山駅・地鉄南富山駅間に、北陸初の地下鉄(第3セクター)を建設してJR富山港線と地鉄大川寺遊園線を相互乗り入れさせます。また将来的には、JR富山駅・五幅間にも新規地下鉄路線を開設し、地鉄本線と相互乗り入れを図ります。地下鉄があることで、北陸地域での圧倒的優位に立てことができるほか、中央企業のオフィス誘致を有利に進めることができます。総事業費は推定1,200億円(JR富山駅・地鉄南富山駅間の総延長約4キロ)。環状線や地下鉄を有することで、新星市は名実ともに大都市の仲間入りが果たせるでしょう。
2、路面電車区間の拡充案
JR富山港線と地鉄大川寺遊園線を、地鉄の市内軌道線(路面電車)に相互乗り入れさせます。いずれも車両は、流線型の複数連結可能なノンステップ車両を導入し高速電車化させます。設備投資が格段に安く済み、現実的ではある。但し、JR富山港線が、地鉄市内軌道線に乗り入れる場合は、JR北陸線の連続立体高架化が前提である。
いずれの案を選択しても、鉄道資源の有効利用を図りたいものです。
○ 都市高速道路網の整備
現在、富山県には北陸自動車道・東海北陸自動車道・能越自動車道の3本が供用・建設中である。関西方面、新潟・東北方面は、北陸自動車道。東海方面には、東海北陸自動車道。能登方面には、能越自動車道。富山県は自動車道の要所として発展しそうである。しかし、残念なのが関東方面に一直線に伸びる自動車道がない事。これは、北アルプス山脈がある為だが、安房トンネルの開通のように可能性が高まってきている。かつて東富自動車道構想や関東産業道路構想があったが、今一度、富山からダイレクトに東京方面に抜ける自動車道構想の具体化を期待したい。中部縦貫自動車道では、松本から高山を通って東海北陸自動車道に連結することになっているが、これでは富山にとっては、かなり遠回りになってしまう。やはり、富山からは、神岡・平湯を通って松本に抜けるルートが必要です。現在、地域高規格道路で富山・高山連絡道路構想もあるが、このルートの変更を望みたい。
一方、都市内部の高速道路整備も重要になると考える。既に首都圏・政令指定都市では、各高速道路公団が整備を行っていまる。また、金沢市・新潟市などの地方有力都市でも国の直轄事業として自動車専用道路が完成または建設が進んでいる。富山県でも地域高規格道路として構想が具体化しつつあり、高岡市では一部建設がはじまっている。しかし現状を見る限り、金沢や新潟にかなりの遅れをとってしまった。また整備予定の道路規格も、例えば高岡の場合「盛土方式」であり、他都市の「連続立体高架方式」に比べ見劣りがする。特に「盛土方式」では、市街地拡大の防波堤となってしまう。北陸自動車道の金沢市と富山市の都市化状況を見れば一目瞭然である。今後、他都市に追いつき、一歩でも前に出るための整備政策を立てなければ、都市間競争に完敗する危険性が高い。そこで地域高規格道路計画の内、富山高岡連絡線・高岡環状線・富山環状線と一般道路として整備予定の富山湾岸道路は、新星都市高速道路公団を設立し中央線・湾岸線・高岡線・富山線として事業を継承。全線均一料金体系(出来れば、普通車500円以内)をとり、建設を早めると同時に、利用者の利便性を高めるようにします。また富山高山連絡線は東京連絡線として、アルプス越え国道構想は長野連絡線として整備を図り、将来的には能越道と同じ高規格幹線道路計画に編入させるのです。
<新星都市高速道路網>有料自動車専用道路
・中央線(富山高岡連絡線)=能越道高岡西ICー二塚ー小杉戸破ー北陸道富山東IC
・湾岸線=能越道氷見ICー高岡伏木ー新港大橋ー富山岩瀬ー北陸道魚津IC
・高岡線(高岡環状線)=高岡伏木ー能町ー野村ー北陸道高岡南IC
・富山線(富山環状線)=湾岸線岩瀬JCーカナルパークー北陸道富山中央IC
<高規格幹線道路網>有料自動車専用道路
・東京連絡線(富山高山連絡線)=北陸道富山中央ICー神岡ー平湯ー中部縦貫道安房JC
・長野連絡線=北陸道魚津ICー宇奈月ー白馬ー上信越道長野JC
<地域高規格道路網>
・金沢ー福光連絡道路=東海北陸道福光ICー金沢西IC
・氷見ー千里浜連絡道路=能越道氷見ICー能登有料道路千里浜IC
○ 海上国際空港が必要!!
現在、富山空港は国内用ターミナルビルや駐機場を拡張する構想が具体化しつつある。当面(21世紀初頭)は、この拡張構想で対応できるでしょう。しかし、将来的な事を考えた場合、富山空港はかなり厳しい。滑走路は2000メートルでジャンボ機が就航できない他、冬場の凍結時を考えると、大型ジェット機の安全にも不安が残る。特にボーイング767・777やエアバスA300などは、定員を満席にすると2000メートル滑走路では、離発着できない場合があるため、こういった大型機就航誘致には、限界が見えてきている。また河川敷である為、誘導路やオーバーランスペースもなく、滑走路の拡張も難しい。仮に拡張する場合、北陸自動車道の神通川にかかる橋をトンネル化または北側に移転する必要がある。このトンネル化や移転にかかる費用と滑走路拡張工事にかかる費用で、新しい空港がつくれるという見方もされている。さらにこれで拡張される滑走路も2500メートルが限界であり、ジャンボ機は就航できるものの、冬場の凍結時や長距離用ジャンボ機(燃料満載型)は、やはり乗客を満席にできないほか、貨物専用ジャンボ機の就航も厳しい。またジャンボ機の就航やダイヤの増便に対応する為には、誘導路も必要になり、その場合、河川の堤防をずらす必要が出てくる。こういったことを考えてくると、新空港構想を、今のうちから練っておく必要がある。
お隣りの小松空港(滑走路2700メートル)では、航空自衛隊所有ということもあり、今までは外国航空会社の定期便乗り入れは認められていませんでした。しかし政府の政策変更により、小松空港への外国便定期乗り入れが確実となりそうだ。その第一弾が、ドラゴン航空の小松ー香港間。次いで、噂になっているのが、アシアナ航空・ミクロネシア航空などが挙がっている。また、小松空港はFAZの指定を受けており、国際的な航空貨物基地としての整備が進みつつある。現在、週2便、カーゴルックス航空がルクセンブルグー小松間を就航させている。好調な運用状況であり、増便が想定されている。また、アシアナ航空が、ソウルー小松間の定期貨物便を検討しており、チャーター貨物便が既に就航した。小松空港では、貨物量の増大・増便に対処するために、上屋の増築を検討している。小松空港は国内路線でも富山空港を大きく上回っており、その差が開く一方である。現在、小松空港の国内路線は、東京・札幌・仙台・広島・出雲・高松・松山・福岡・鹿児島・那覇の10路線。石川県では、小松空港が滑走路1本であり、自衛隊管理の供用空港であることから、民間管理の第2滑走路を建設しようという構想が浮上してきている。現在の滑走路は、厚みが薄い為、貨物用ジャンボ機に重量制限を行っているのも理由のひとつにあるようだ。更に石川県では、能登空港が、滑走路2000メートル級で2003年開港を目指し建設が進んでいる。今後の展開では、航空自衛隊の能登移転という案も現実化してくることも予想される。このように見ると、北陸国際空港の称号を小松に取られてしまいそうである。
一方、新潟空港の整備も進んでいる。新潟空港は新潟市の郊外、海に面している。これまで新潟空港は2000メートル滑走路だったが、98年3月に2500メートル滑走路に拡張され、更に3000メートルへの拡張計画も進んでいる。同7月には新旅客ターミナルもオープンした。年間旅客利用者数を200万人と見込んでいる。運用時間も10時間から13時間に延長され、海に面している条件から将来的には24時間運用を目指している。現在、国際定期路線はハバロフスク・ウラジオストック・ソウル・中国便が就航している。新潟空港への交通アクセスも整備が進んでいる。98年11月には、北陸自動車道が新潟空港ICまで延長開通。この新潟空港ICから実際の空港ターミナルまでは、5キロ程度離れているのだが、この区間は高規格幹線道路として建設が進んでおり、2000年には全線が開通する予定である。この他、上越新幹線を新潟空港まで延長する構想もある。そして新潟空港を首都圏の補完空港と位置づけようとしている。
関西国際空港をはじめ、これからの大型空港は、海上の24時間空港を目指している。万博までに開業させたいと考えている中部国際空港(伊勢湾沖)。首都圏第3の新空港構想(東京湾)。九州国際空港(玄海灘沖)。神戸空港(ポートアイランド沖)。いずれも海の上である。この他にも長崎空港も海上空港として整備されている。
新星市時代の新しい空港も、やはり海上24時間空港を想定する必要がある。建設場所は、新港東側埋立地の海側、新たに埋め立てし、3000メートル滑走路1本を建設する。建設費は、神戸空港と同規模を想定し、2700億円。2003年からの建設開始を目指し、2008年の開港を目指す。
現在の富山空港は、国内便・国際便合わせて1日13便が就航している(小松空港は1日21便就航している)。これを新空港開港時(2008年)には、1日30便を想定する。特に新星市(政令指定都市)の誕生により、日本海側の拠点空港としての地位が高まってくれば、空港整備が一気に進めることが可能になるだけでなく、現在の県運営の第3種空港から国運営の第1種空港への格上げも可能性がでてくるのではないだろうか。現在、第1種空港は東京国際空港(羽田)・新東京国際空港(成田)・関西国際空港・大阪国際空港・福岡国際空港、それに2005年開港予定の中部国際空港がある。富山新空港も北陸国際空港として整備する可能性を探る必要があると考える。
○ コンベンション機能の集積化
新星市の産業展示機能は、現富山市(婦中区)の富山テクノホールと現高岡市(高岡区)の高岡テクノドームになる。しかし、両展示場(400〜500平方メートル)とも規模はさほど大きくなく、大型の展示会が開催できないのが実状である。お隣りの金沢では、石川県産業展示館(1,700平方メートル)が1号館から4号館まであり、販売展示会から見本市やコンサートまで幅広く、催し物が開催されている。特に北陸道金沢西インターの側ということもあり、広範囲の顧客を想定しているなど、富山の施設に比べ大きくリードを取っている。富山の場合、各施設を県内隈無く整備する傾向にあるが、今後は立地条件の良い場所に集中して整備を図る必要があるだろう。例えば、千葉市幕張にあるメッセ(日本コンベンションセンター)は、東京から電車で40分程度掛かるにも関わらず、東京モーターショーをはじめ有名な大規模イベントを確保している。その理由は、日本最大級の展示スペースや会議場、そして広大な駐車場に大型ホテルが多数ある為だと考えられる。富山県でも、富山テクノホール2号館構想もあるようだが、もっと大きな催し物が開催できる展示場を確保する必要があるだろう。特に石川県産業展示館と同じようなことを行っていては、地域間競争に勝てません。
ジャパンエキスポ富山を小杉町太閤山で開催した際、大型の展示スペースとして、現在の体育館と仮設の展示場2棟で対応したのだが、今から考えるとこれだけの展示スペースと立地条件は、コンベンションセンター(産業展示場)に打ってつけではなかったかと考える。北陸道小杉インターの近くでもあり富山・高岡・砺波の顧客は勿論、遠くは石川県・岐阜県飛騨・新川地区も対象にできるのです。
そこで、再度小杉太閤山地区に、大規模なコンベンションセンター(産業展示場・2,000平方メートル以上)の設置を目指します。特に施設の形態を、現在北陸にある施設とは差別化を図り、幕張メッセ型で建設します。幕張メッセ型は、ひとつの大きな建物の中に機能を集中させ、コンベンション機能に特化して展示機能と会議施設を充実させているのです。特に展示機能は、大きなパーテーション(仕切板)で幾つもの展示スペースに分けられる構造で、複数の催し物を一つの建物内で開催できるのが特徴になっているのです。建設場所を北陸道小杉インターに隣接させ、日本海側最大規模を目指します。
現在の富山テクノホールは、大規模な改装を図り、富山初のアイスアリーナとしてリニューアルをします。そしてフィギアスケートやアイスホッケーの国際大会を開催できるようにします。また高岡テクノドームは、アリーナ機能を持たせて、展示会からスポーツ大会・コンサートも開催できる複合型施設としてリニューアルさせます。
○ 北信越の中枢管理都市を目指す!
新星市は、北陸の中心都市ではなく、北信越の中心都市を目指します。北陸では経済力が300万人たらずで、一つのエリアとしては小さすぎます。また金沢市がある以上、地理的に新星市は不利です。しかし、北信越にエリアを広げて考えると、人口は750万と倍以上に膨らむ他、地理的に見ても新星市は北信越の中心的都市に必ずなれます。
今まで北信越がひとつの経済圏となれなかったのは、北アルプス山脈という障害物があった為ですが、高速交通網の整備が進んでいけば、北信越はひとつの経済圏として確立できます。そして、新星市が北信越の中心都市だとアピールしていく事によって、中央大手企業の北信越統括事務所の誘致を有利に展開することが出来るでしょう。また、北信越に本拠地を構える企業も、新星市に本社を移転する事も考慮するようになると思います。
企業の北信越事務所とならんで、誘致に取り組みたいのが、中央官庁の出先機関である。現在、国の出先機関は、金沢・新潟・長野とばらばらに配置されている。金沢には、財務・郵政・農政・労務。新潟には、建設。長野には、郵政。富山には、残念ながら国の出先機関はない。かつて北陸通産局の設置で、富山と金沢が熾烈な誘致合戦を繰り広げられた結果、北陸通産局は見送られた経験がある。しかし、新星市が北信越の中枢管理都市を目指す以上、国の官庁出先機関の誘致は避けては通れません。北信越が、交通網の整備などで、ひとつの経済圏として確立し、企業の北信越事務所誘致が進んでいけば、これを当然の流れとして国の出先機関のエリア分け見直し、新星市への出先機関集中を図れるのではないだろうか。まずは、気象庁の管区気象台やNHKの北信越統括支社などの誘致から取り組む必要がある。
○ 市町村再編
また、新星市を取り巻く市町村も、大胆に再編成し広域行政都市を多数生み出す必要がある。
・新川市(仮称)=朝日町と入善町の合併(5万都市)
・黒部市 =宇奈月町の吸収合併(4万都市)
・早月市(仮称)=魚津市・滑川市・上市町・舟橋村の合併(10万都市)
・小矢部市 =福岡町の吸収合併(5万都市)
・南砺市(仮称)=福光町・城端町・福野町・井口村の合併(5万都市)
・神通市(仮称)=八尾町・大沢野町・細入村の合併(5万都市)
このような大胆な市町村再編成と、思い切った施策を打ち出していかなければ、富山県は厳しい状況になると思います。富山県はかつて昭和40年あたりまでは、石川県より人口が多かったのです。しかし人口は逆転し、その後は石川県と富山県の人口差は開く一方です。現在、石川県は人口118万人、富山県は人口112万人と6万人もの差がついてしまった。1990年に出された全国の人口推移予測では、石川県の2000年人口は117万人を想定されていたが、3年も残す内に予測人口に達したことになる。この石川県の人口増加のほとんどが金沢市周辺である。一方、富山県は予測通りの停滞推移となっている。
富山県は、この人口停滞傾向に対して、大同団結で打ち破る必要があるのです。まず、新星市の誕生で大きな人口増を狙います。新星市の年間人口増加率を1〜2%という高い伸びを目指し、札幌・福岡並みの年間1〜2万人の人口増を図るのです。そしていずれは、石川県との人口差の再逆転を目指すべきです。
大都市「新星市」を生み出すことで、今まで蔑ろにされていた富山県が、大きく見直される可能性がでてくると信じます。
4、ファイバーシティ構想
○ ファイバーネットワーク化
CATV回線で送れる情報量は膨大である。このCATV回線を広域にネットワークを図ることによって、企業や生活スタイルをも大きく変えることが出来る。インターネットはもちろんのこと、CATV電話やテレビ中継回線・教育分野・行政情報・医療分野・在宅勤務(SOHO)にも利用される。そして新しい情報産業を生み出す土壌が出来ます。
富山県内を見ると、CATV局が多数開局しネットワークが広がりつつある。現在、氷見・高岡・砺波・新湊・富山・婦中・八尾・大島・新川にCATV局が開局しており、全県的にファイバーネットワークが組めるようになっている。富山県は、このCATV局間のファイバーネットワーク化を押し進めることによって、他県に先駆けて先進的な高度情報サービスを行えるようになると考えます。
その際に重要な問題として、この情報網をどう管理し活かしていくか。そしてサービスソフトや人材・関連企業をどう育成していくかが重要なポイントになるでしょう。富山県はもともと情報ソフト・映像ソフト産業が弱い地域です。民放テレビ局は今だに3局しかない。映像制作プロダクションも規模が小さく、その数も少ないのが現状です。それに対して金沢は、規模は小さいが映像制作プロダクションの数は多い。その為、富山の映像制作(CM・VP)の多くを金沢の企業が行っているのが現状である。さらに金沢では、郵政省が全国主要都市に設置を進めているメディアセンターが94年に開設された。設立された北陸メディアセンターは、北陸郵政局・石川県・金沢市と地元企業(北國新聞・北陸放送ほか)が設立した第3セクターの企業で、主な業務としてテレビ番組・企業向けのビデオパッケージ(VP)・TVコマーシャルの制作や映像関係企業に対する技術的支援(ポストプロダクション・ENG取材・スタジオレンタル・機材レンタル)を行っている。ここには、地方都市には無い、ヘンリーという最先端の映像編集機が設置されいる為、東京をはじめ全国から利用されている。第3セクター企業とはいえ、その内容は民間企業に近いといえる
また福井県にも、県主体のマルチメディアサポートセンターが97年にオープンした。北陸では後発ではあるが、その分施設内容は充実している。ファイヤーという高度な映像編集機器を導入している他、音声機器(MA)・CG機器も最先端も物を採用している。施設のレンタルが主な業務。夜遅くまで使用できる他、使い勝手が良いため施設の稼働率は高いようだ。このような施設が、長野県上田市や岐阜県大垣市にも整備されている。
富山県では、情報産業の振興を目的に、富山県総合情報センター・富山県マルチメディア情報センター・富山県情報工房を設立して情報産業・映像産業を支援しようとしている。しかし、まだまだ映像ソフト産業が育ってきているとは言えない。特に、放送用編集機器を有している富山県マルチメディア情報センターは、北陸メディアセンターや福井マルチメディアサポートセンター・岐阜ソフトピアなどと比較すると、かなり内容面で見劣りがする。富山県マルチメディア情報センターは、施設の貸し出しとセミナー開催が主目的である為、技術者や制作者を有していない。また機材の内容も、実用性に欠ける点や性能面での物足りなさを感じる。更に県管理ということで、9時30分から17時までしか利用できず、夜遅くまで業務を行う映像業界にとっては使用しづらく、とても民間支援とはいえない状況である。
今後は富山県も民間レベルにたった、映像産業・情報産業の戦略的振興策を強力に、押し進める必要がある。
○ メディア誘致
富山は残念ながら、未だに地上波テレビが整備されていない。何とかして民放テレビ4局化・5局化(テレビ朝日系・テレビ東京系)と民放FM2局化(J-WAVE)の設置を図りたい。しかし地上波デジタル化が近づくなか、今後予想される地方局の経営難も懸念されており、時間的余裕もないのも現実です。そこで今まで行ってこなかった手法で多局化ができないか検討を図る必要がある。例えば民放テレビ4局化・5局化、民放FM2局化に関しては、現在の先発民放テレビ局の協力を得ることが考えられます。これまで郵政省は、マスメディアの集中化排除の方針をとっていましたが、最近では規制緩和の流れの中、この方針を転換して積極的に市場主義に移行する方針へ変化してきました。そこで、民放テレビ4局化・5局化を、先発民放各局(北日本放送・富山テレビ放送・チューリップテレビ)の子会社もしくは分社化として整備する方法案と1社2波方式案を検討したい。子会社・分社化案は、既に沖縄県・長野県で実施されており。現実性があります。沖縄の民放テレビ第3局(沖縄朝日放送)は、既存民放テレビ局(琉球放送)の子会社として開局しています。また長野では、第4民放テレビ局(長野朝日放送)は、先発民放テレビ局(テレビ信州)を分社化して誕生しています。経営の効率化から見ても実現性が高い。1社2波方式は、福井県などで検討されているもので、電波後進県の起死回生策と考えられている。これらの方式が無理であれば、県営放送局方式もしくは第3セクター方式で開局し、経営が軌道に乗った段階で完全民営化へ移行する案も検討する。新局は、デジタル放送局として開局しアナログ放送は行わない。
現在、隣県の民放局(北陸朝日放送・新潟テレビ21)を、CATV局などで視聴し、格差是正をしている面もあるが、他県の恩恵を受けなければならない植民地的な状況からの脱皮を図らねばならない。隣県に比較しても、電波後進県であり、早期の汚名返上を期待したい。またキー局の開局ニーズを高めるためにも、政令指定都市の実現が重要でしょう。
更に地上波デジタル放送時代に対応する為、東京タワーのような共同放送タワーの実現を富山でも実現する必要がある。近い将来のデジタル放送化の為、東京では新しい東京タワーの建設構想(地上700メートル)が浮上しており2002年の完成を目指すという。また埼玉でも新都市の再開発副都心に地上500メートルの電波塔を兼ねたタワービル構想が明らかになってきている。富山県でも都市の象徴となるタワー建設構想を早急に検討する必要がある。設置場所候補としては、現在各局が送信塔を設置している呉羽山近辺や、富山四方地区が良いと考える。タワーの高さは500メートル級として、富山のランドマーク的な新しいシンボルを目指す。タワーには展望室も設置して、観光の目玉とする。共同タワーにすることで、各放送局の経営負担軽減を目指すことと、中央キー局への開局ニーズを高めるねらいも持たせる。
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<今後の映像ソフト産業振興策>
・ファイバーネットワーク化
富山県内のCATV局を、県が中心となってネットワーク化を図り、各種の行政サービスや情報産業の支援に役立たせる。また、県民にネットワークを開放して在宅医療・SOHO(在宅勤務)などや各種コミュニケーションの活発化を促す。
・衛星デジタル放送に富山チャンネルを開局
今、全国的に普及してきている衛星デジタル放送(パーフェクTVなど)を利用して、富山から情報を全国に発信する「富山チャンネル(仮称)」を第3セクターで開局させる。放送する中身は、テレビチャンネルとラジオチャンネルで富山の民放・NHK・ケーブルテレビで制作された番組や富山の情報を伝えるオリジナル番組(富山の観光地を紹介する番組など)を24時間放送する。
既に、地方初のCSチャンネルとして、京都チャンネル(TV)・YOKOHAMAベイチャンネル(TV)・はいさいラジオ(RADIO)などがある。
・第3セクターによる映像プロダクションの設置
富山県マルチメディア情報センターとは別に、映像プロダクションを第3セクターで設立する。この会社は、放送系の業務の他に映画系の業務も行う。特に、東京の仕事やハリウッドの仕事も富山で行えるようになるのを目標とする。また、専門知識を有する専任の経営陣を置き、独自性の強い完全な民間企業を目指す。
業務内容は、技術系としてポストプロダクション(映画用編集システム・のCM用編集合成システム・番組用編集システム)、撮影(フイルム撮影・ハイビジョン撮影・ENG撮影)、3DCGシステム、スタジオ(バーチャルスタジオ・モーションコントロールスタジオ)、MA作業。制作系としては、CM制作・番組(VP)制作・ラジオ番組制作・デジタルコンテンツ制作など。
・第4民放テレビ局、第5民放テレビ局の開設
テレビ東京系・テレビ朝日系のテレビ局開設を目指す。
・第2民放FM局の開設
J-WAVE系のFM局開設を目指す。
・外国語専門FM局の開設
現在、東京・大阪・福岡で既に開局しており、主に日本在住の外国人を対象にした外国語専門FM局です。今後、愛知・札幌で開局する見込みである。富山の場合、英語・ロシア語・韓国語・中国語を中心とした番組構成を図ったFM局を開局させます。
・中央大手新聞社の北信越支社誘致
読売新聞北陸支社を、北信越本社として格上げを検討してもらう。また朝日新瓶の北信越支社と印刷センターの誘致と日本経済新聞社の北信越印刷センターの誘致を目指す。
・テレコムセンターの誘致
郵政省のテレポート構想で、中心的になる施設。現在、東京・大阪などで施設が完成している。東京テレコムセンターには、メトロポリタンテレビや衛星回線の地上局などが入居しており、情報産業の交流拠点となっている。北陸では、金沢市が誘致構想を持っている。
富山では、新県庁周辺に立地させ、県の防災センター・県内CATVのネットワーク基地局・NTT技術開発機関・北信越電波管理局(北陸と信越を合併)・衛星富山チャンネル局・第4民放テレビ局・第2FM局などの入居を図る。
・県立大学に映像情報学部の開設
情報ソフト・映像ソフト産業に従事する人材の育成と情報・映像に関する最先端技術の富山県内への蓄積を図る。また工学部には、映像機器・コンピューター関連機器・アプリケーションソフトの開発コースを設ける。
・デジタルポリス
富山県総合情報センター・富山県マルチメディア情報センター・富山県情報工房を拡充して、周辺にマルチメディア関係の大手企業やベンチャー企業・学術研究施設の立地を図る。特に、映像ソフト産業・マルチメディア関係の各企業・起業家によるベンチャー企業に対して積極的な育成・支援を行っていく。また新たにマルチメディアや映像系技術(コンピューター映像処理)の研究施設としてセンタービルを設置する。このエリアを「デジタルポリス」と位置づけ、全国・世界にアピールしていく。
5、若者がいない…
○ 高進学率に対する高等教育機関の不足
富山県は、教育県として有名であるが、取り分け高校・大学の高進学率は全国でもトップクラスを維持し続けている。一昨年度は、高校への進学率で全国第1位に返り咲いた。また公立大学への進学率も、毎年高い数字を上げている。富山県の特徴として、公立指向が強いといわれ、これは今でもあまり変わらないようだ。しかし、この大学への高進学率は、富山県にとって決して良い事だとは思わない。
10年前までは、富山県には四年制大学が2つしかなかった。つまり大学への高進学率があっても、その大半は県外へ流出する。親御さんや教育関係者が、一生懸命、優秀な生徒を育てても高校を卒業すると同時に、東京・関西などの大学へ入学してしまう。親御さんにとっては、自慢になるのでしょうが、結局はお子さんのほとんどが東京・関西の企業へそのまま入社し、富山へは帰って来ないのが現状である。これは富山県にとって大きな損失です。
まずは、高い教育費が富山県の為に活かされない点。親御さんが、幼稚園から高校卒業までに最低750万円以上の教育費を子供の為に使います。また県・市の教育施設や運営費には、多額の税金が投入されているのです。ここまで懸けた子供達の多くが、富山県から離れ、他県の為に働くのです。また、大学生が他県へ流出することによる富山からの資金流出がある。四年制大学の場合、入学から卒業までに、学費や生活費で1千200万円程度かかる。勿論多くの親御さんは、学費や仕送りをしますので、そのまま富山で稼いだ大金を他県で使うことになります。つまり他県の消費活動(流通販売)を助け、富山県内の消費活動は停滞する事を意味します。富山県の経済界にとっては、大変痛いことです。また大学生の多くはアルバイトをします。この若くて安い労働力が、富山では活かされないのです。そして、若者人口が他県へ流出する事によって、富山の高齢化を加速させることになる。現実に富山県は全国平均より、かなり高いペースで高齢化社会を迎えようとしている。このように考えてくると、富山県の高進学率は決して自慢できるようなものではないでしょう。
○ 選択肢がない低大学設置率の改善
こういった大学生の流出を、もっと以前から食い止める必要があったのですが、どうも富山県の公立指向が災いし、富山県の低大学設置率につながったと感じます。特に、私学への助成や育成に力を入れてこなかったことが、今日の大学誘致で苦戦している一因だとも言える。
富山県の私立高校は、そのすべてが戦後生まれです。つまり歴史が浅いのです。この私立学園が成長して大学設置までつながれば良かったのですが、現状、富山の四年制私大は、高岡法科大学と富山国際大学の2つのみ。それもここ10年以内に生まれた若い大学です。これに対して金沢では、私学の歴史は古い。明治時代には、金城学園・北陸学院など既にいくつかの私立学校がうまれていました。そしてこういった私立の力が、戦後多数の大学を生み、金沢を学園都市へと成長させたのです。この金沢の大学で学ぶ若者達が、金沢のトレンド文化を造り出しているといえるでしょう。そして、富山の若者が金沢に憧れを持ちはじめ、流出しはじめているのです。富山県は、このことにもっと危機感を持つ必要がある。
富山県はここ10年間で、大学の数は増加しました。現在の四年制大学は、富山大学・富山医科薬科大学・県立大学・高岡法科大学・富山国際大学の5大学(10学部)。しかし石川県は、金沢大学・金沢美術大学・金沢医科大学・北陸大学・金沢経済大学・金沢工業大学・金沢学院大学・金城大学・県立看護大学・県立農業大学(計画中)など10大学(20学部)で、まだまだ富山をリードしている。また短期大学は、北陸学院短大・星稜女子短大・金城短大・金沢女子短大・小松短期大学・七尾短期大学などがある。大学・短大・高専の学生数は、石川県は3万2千人なのに対して富山県は1万4千人(平成9年4月)。富山県には、石川県の半分も学生がいないことになる。また、大学の設置場所も石川県の場合、金沢市街地近郊に集中しており、金沢の商業活動を支えていると言っても良いでしょう。特に金沢市では、「環状大学構想」として市街地や産業の活性化へ繋げようと模索している。一方富山県は、市街地近郊にあるのは富山大学だけであり、その他の大学は、市街地から遠く離れた郊外。これでは、富山市・高岡市の商業活動に与える影響は小さいといえる。もっと大学を、市街地近郊に設置しなければ、街の活力も生まれてこないし、また他県の若者から見ても、魅力ある大学には写らないだろうことを、もっと意識しなければならない。
更に大学がもたらす重要な点で、最近言われ始めているのが、大学と企業による共同研究・共同開発である。これは、これからの小子化時代に、大学が生き残っていく為の方策として言われていることで、慶応大学湘南校舎での産学共同研究システムなどが有名である。今後、富山県での大学増加は、富山の企業にとっても重要な意味を持つと考えられます。特に企業との共同研究・共同開発が行いやすいのは、私立大学です。国立大学では、フレキシブルな対応が出来ないため、時代にあったスピードある研究開発が難しいのです。その為にも、私立大学の育成と県立大学の開放政策が重要になってきます。
○ 新星大学園都市構想
富山県には、まだまだ大学が不足している。特に、複数の学部を有する総合大学を、もっと育成すべきだと考える。現在、総合大学は富山大学のみである。この総合大学(3学部以上)を増やし、新星10大学を目指す必要がある。
まず、国立高岡短期大学を四年制化。富山大学に無い学部を中心に新設し、総合大学化を図る。名称も、国立新星大学とする。四年制キャンパスを環状線沿線に設置し、現在のキャンパスは国立総合大学院大学として使用する。この他、環状線沿線に、都市型の総合私立大学(第3セクター)を新設。また、既存の高岡法科大学と富山国際大学も総合大学化を目指すと同時に、新学部の校舎を、やはり環状鉄道沿線に誘致する。何故、環状鉄道沿線か?。東京6大学は、かつては全て山手線沿線にあった。そして、この東京6大学が戦前・戦後を通じて、東京の街に大きな活力と影響を与えてきたのです。一方大阪では、一時期、街が衰退した事があったが、その際に言われた事は、環状線沿線にあった有力大学の多くが、軒並み郊外に移転したことによる街の空洞化であった。つまり、大学と環状線と街の活力は、切り放して考えるわけにはいかないのである。
この他、県立大学の総合大学化。富山女子短大・洗足魚津短大・富山福祉短大・富山経済専門学校・富山市立外語専門学校といった短大・専門学校の四年制化移行を、県が積極的に支援する必要がある。また県の戦略的な大学増加策として、これまでの新設大学誘致の他に、他県からの既存大学の富山県移転、他県の大学と県内の大学・私立校の吸収合併(M&A)を考えたい。これは今後予想される、地方私立大学の学生不足・経営危機を利用するものです。小子化時代の中、大学の新設・学部増設が難しくなることが予想され、文部省の許可を取る事もこれからは厳しくなる。その為にも、新しい切り口による大学増加策を考えるのです。
○ 多様な学部の充実
これからの大学設置や学部増設を考える際、重要になるのは、他の大学にない個性ある学部・産学共同研究がしやすい学部・そして魅力ある学部をいかにつくるかだと思います。特に新設の場合は、こういった学部の方が、文部省からの設置許可を取りやすいのではないだろうか。
例えば、国立高岡短大の四年制化に際しては、現在の学科を発展した形で、美術学部と図書館情報学部の設置を目指します。また、これからの社会で重要になり役立つ学部として、全国的に例の少ない環境学部・航空宇宙学部・国際法律経済学部の設置を目指します。これら5学部を有する総合大学として新たにスタートさせます。
県立大学には、現在の工学部のほかに映像情報学部・舞台芸術学部・看護衛生学部・農学部などの新設を目指します。この際に、県立大学の名称を国際的に通用するユニークな名称に変更する。
私立大学発展に関しても、県が積極的に支援していき、今までにない学部の設置を働きかけていく必要がある。また学問や研究の発展の為には、ライバルとなる大学・学部を設定しておく必要がある。ひとつの学部しかないと、偏った学問の発展しかしない可能性があるからです。アメリカは勿論、東京の大学間でも、同じ学部のゼミナール間で盛んにディべートが行われています。これを富山県内の大学でも行える環境を整える必要があります。
富山国際大学は、系列の富山女子短期大学を四年制化することで、総合大学化を図り、福祉学部とコンピューターを幅広く学問化する電脳学部、新時代を迎えている金融業界を学問化する金融学部を新設できるよう県が要望支援する。
高岡法科大学は、高岡の産業支援を行えるような商学部・工学部・医学部 ・薬学部などの学部増設を、県が要望支援する。
富山福祉短期大学は、4年制移行を目指し、社会福祉学部と系列の富山経済専門学校を発展させた経済学部の設置をまず目指します。次に自然環境システムを地球レベルで学問化する自然学部とそれを支援する理学部の設置を要望支援する。
洗足魚津短期大学も、既存学科の4年制移行を目指し、音楽学部・文学部・経営学部の実現を要望支援する。
この他、富山県とゆかりの深い大学誘致を目指したい。そのターゲットとして考えたいのが、近畿大学と龍谷大学。それぞれ富山には、研究所や系列高校を抱えており、誘致にもっとも可能性がある大学と考えます。
近畿大学(富山キャンパス)には、新湊堀岡の近畿大学水産試験場を発展させた海洋(水産)学部・生命(遺伝子)学部とユニークな学部として建築学部の設置を働き掛けます。
龍谷大学(富山キャンパス)には、外国語学部・社会学部・心理学部の設置を働き掛けます。
これらの学部(10大学40学部)を、今後いかに早く整備できるかが、富山県の命運を担っているといえるでしょう。その為にも、強力なプロフェッショナルスタッフを持った特別な推進機関を整備する必要がある。
○ 大学の多様化と人材確保
21世紀の大学は、いままでの内容の無い大学からより実戦力ある人材の育成ができる環境が求められている。米欧に比べ大学の質がかなり遅れたと言わざるを得ない。特にアメリカでは、ベンチャービジネスが盛んであるが、これを支えているのは、大学とベンチャーキャピタルである。日本ではこのどちらも立ち後れている。アメリカのヒューレット・パッカード社は、ベンチャービジネスの雄として有名であるが、もともとはシリコンバレーのガレージ企業から始まったのです。ガレージ企業とは、家の車庫に会社を構えて企業をまず起こすことで、発想とやる気があれば誰でも企業を起こせるチャンスがあるのです。マサチューセッツ工科大学などでは、学生が企業を起こせるよう指導支援をするシステムやカリキュラムを導入している。今後、日本でも、このような考え方や社会システムを構築していかなければ、一層アメリカから遅れることになるだろう。
例えば、多様な入試システムを採用する必要がある。今、AO入試(アドミッション・オフィス)が流行になっていますが、これからは、大学が優れた人材を全国から世界から集めてくる必要があるでしょう。アメリカの有名大学では、学生は世界から集まってきます。その多国籍パワーで、コンピューター関連をはじめとする新産業群が生まれてきたのです。富山でも、このような新しい大学のあり方を模索する必要があるでしょう。
そこで、より高度な研究や研究者の育成をする為に、大学院大学の誘致育成が必要です。特に単独の大学院大学の設置が重要なのです。この単独の大学院大学は、全国的に見てもまだ少なく、富山が単独の大学院大学のメッカとして台頭するチャンスとも言える。まずは、国立の総合大学院大学を誘致します。今、国立の総合大学院大学は日本には無く、文部省の意向にも沿っており可能性が高い。現在ある国立高岡短期大学の校舎と周辺地域を活用する。また、東京・関西の大学や米欧の大学をターゲットとして、大学院大学の誘致を図ります。
次に大学・大学院大学の9月入学制度の普及を進め、帰国子女や海外の学生の確保を積極的に進めていく必要がある。慶応大学では、平成11年度から4月入学に平行して9月入学制度をスタートさせた。これは、帰国子女や海外の学生を確保するという目的の他に、企業の人材採用が4月採用から通年採用へと移行しつつある事も要因にある。各企業が優秀な人材や必要な人材を、いつでも採用していかなければ国際競争に勝てなくなってきているのである。またこういった社会の変化から国際的な大学の開学準備も進められている。立命館アジア太平洋大学。教員をはじめ学生の半数以上をアジアや海外からの留学生で構成するという新しい大学を目指している。
こういった新しい流れを、富山県でも積極的に取り組んでいく必要があるでしょう。特に富山県は、人口減少と高齢化が進んでおり、将来の人材確保と国際化という側面から、優秀な人材を日本全国そして海外から求めることを真剣に検討する必要がある。県内にある大学の多くを外国人に開放し、学生・教員の3〜5割程度を積極的に海外から呼び込むことを検討したい。
○ ゼロ歳からの教育
乳児・幼児期の教育は、人間形成に非常に重要だと言われています。特に人の潜在能力・人間性を高められる時期は、実は0歳〜7歳までの乳児・幼児課程で、かなりの部分が決まるとも言われています。今後は、義務教育に入る前の乳児・幼児教育の充実が必要だと考えます。例えば英会話の能力は、母音の認識が重要だと言われています。日本語の母音より多くの母音を持つ英語は、日本人にとって苦手としている部分です。しかし0歳〜7歳の間で教育(訓練)しておけば、英語の母音が識別出来るようになるのです。この他にも、音楽の絶対音感や記憶能力、運動能力・発想能力にも0〜7歳の教育が深く影響しています。
このゼロ歳からの教育を充実させる為に、公的な乳児・幼児教育の研究機関の設置と乳児・幼児教育の支援を図ることを検討する必要があるでしょう。乳児・幼児教育のプログラム化や研究支援を充実化することで、単なる「進学の教育県」から「人材育成県」への転換を図ります。
また富山県が国際社会へと発展していくためには、アメリカンスクールや外国人学校の誘致・開学を支援していく必要がある。幅広い人材確保という観点と教育機関の多様化を目指す取り組みが、いま求められている。
更に富山県では、公立・私立ともに一貫教育(幼稚園・小学校・中学校・高等学校・大学・大学院)が行われていません。これらの整備も進める必要がある。まず公立では、国立富山大学の付属高校設置を図って幼稚園から高校までの付属校を整備する。また富山県立大学は、同じ小杉町の小杉高校を付属高校とする。私立では、富山国際大学と高岡法科大学に付属校を整備することで一貫教育校を支援します。このようにして、富山県は新しい教育体系を目指すのです。
6、街は何処だ!
○ 魅力ある街の研究が必要
都市というものは、常に動いていなければ都市とは言えない。時代に合った新しい物(お店や建物)が次々に生まれ、時代に合わなくなったものは消えていく。そして、多くの人に支持を受けた都市が「都会」と呼ばれる。
北信越の都市の中で、この10年最っとも変化したのが、金沢市。
香林坊109、香林坊大和、ラブロ片町、北国新聞会館、全日空ホテル、日航ホテル、金沢シティモンドホテル、JR在来線高架化、パークビル(三菱地所)、リファーレビル、UCIルネスシネマ9、アパ(信開)ホテル金沢駅前、金沢マンテンホテルなど、主だった施設だけでもこれだけある。また、郊外のショッピングセンターに目を向けると、平和堂、ジャスコ2店舗、アピタ、長崎屋、マイカル御経塚が、この5年間でオープンした。しかも、どれも売り場面積が1万5千平米〜2万平米以上である。この先の予定でも、新幹線金沢駅、JR金沢駅東口整備、JR金沢駅東地区再開発(都市型ホテル・リゾートホテル・JR西日本系商業ビル・オフィスビルなど)、北鉄浅野川線金沢駅地下化、金沢邦楽ホール、武蔵ヶ辻インテリジェントビル、新県庁舎、ガイドウェイバス、マイカル金沢、サンテラスユニー金沢(立て替え)、金沢現代美術館(金沢芸術街)、金沢国際会議場、金沢駅西副都心計画(新県庁周辺)、金沢城(金大跡地)周辺整備など、めじろ押しである。特に金沢駅周辺は、著しく発展しており30階建ての日航ホテルをはじめ見上げなければならないビルが増えてきた。そして今でも建設の土音が絶えない。
都会とは言えなくても、金沢は都市として確実に動きつづけている。しかも、民間デベロッパーが多くなってきているのが富山県にとっては恐怖と言えるであろう。特に都市部におけるビル化に関しては、金沢とは対照的に富山・高岡とも殆ど進んでいない。西町や城趾通り、末広通りは10年前と景観が変わっておらず、見上げても空が良く見えるといった感じで発展している形跡が感じられない。ビル化の遅れは深刻です。このような状態からの脱却を図ることは、真剣に考える必要があるのだが、そういった熱意も富山県人は弱くなってきているようだ。そこで街というものは、本来どうあるべきなものかを研究することから始めてみる必要があるようだ。
魅力ある街って、何だろう?
都会の街はやっぱり魅力的である。欲しい物は何でも手にはいる。人は溢れ、街は眠らない。新しいファッショントレンドが生まれ、情報が集まりそして全国へ発信していく。交通も発展し「不便」という言葉がない。若者も多い。放っておいても勝手に街は発展していくし、街の顔も変化していく。
富山の街は果たしてどうやったら魅力的な街になるだろうか?
普通の有り触れたやり方(都市再開発など)では、富山は魅力的な街にはならないと思う。もっと大胆に、もっと思い切った、これまでに無い取り組みが必要なのではないだろうか。
○ 広域交流時代への対応
街という響きは、いつも私達に期待と興奮を与えてくれる存在です。昔(昭和30年代頃まで)は、街に遊びに行くというのは年に数回程度、人々は着飾って遊びにいったものでした。しかし、その街は時代とともに大きく変化していった。
人々の交通手段が、鉄道・バスから自家用車に移行することによって、商業地域も駅周辺から郊外の大型駐車場を有するショッピングセンターへと移っていったのです。今まで街の顔だった駅周辺は衰退し、それがその市自体への衰退へと結びついていった。しかし、全国の全ての都市がそういう状況になった訳では無い。モータリゼーションの波を受けたのは、地方都市や衛生都市に謙虚に現れた現象であり、大都市といわれるところでは大きな影響が出ていないのである。北陸を見てみると、高岡市が最もモータリゼーションの影響を受けた都市といえる。駅周辺部の衰退状況は、悲惨なものがある。特に問題なのが、人通りの状況である。商業地域であれば、休日と平日の通行量で、通常休日が多くてはいけないのだが、高岡市中心商店街ではどのエリアでも平日のほうが休日よりも通行量が多いのが実体である。つまり、高岡市中心商店街に来る人は、買い物客では無く単なる通行人が多いということになるのです。街の衰退を他人(大手資本や行政)の責任と押しつけ、自助努力を怠ってきた付けが、いま大きくこの街にのし掛かっているようだ。高岡市だけではありません。ここ数年の間に、同じような現象として富山市総曲輪、金沢市武蔵が辻、小松市駅前、福井市駅前、長岡市駅前、上越市高田駅前なども高岡市のような状況に近づいている。辛うじて中心都市として体面を維持しているところは金沢市香林坊・片町地域、新潟市古町だけと言えるでしょう。これらの商業地は、実は駅前では無いのです。何故この地域は、衰退を免れたのでしょうか。その理由として考えられるのが、大型地下駐車場の存在です。モータリゼーションに対応して一千台から二千台規模の大型地下駐車場を有しているのです。郊外から来たお客さんは、この大型の駐車場を目指してやってくるのです。つまり分かり易い目標物と言えるでしょう。また、これらの地域では大型の再開発計画が頻繁に行われてきた点も挙げられます。「都市というものは、常に動いていなければならない」といわれます。香林坊・片町では、香林坊大和・香林坊109・ラブロ片町といった1万5千平米から3万平米規模の再開発ビルやタテマチ通りのファッションショップ通りが充実している。また新潟市古町では、古町通り・地下街ROSAを中心に三越・大和・ラフォーレ原宿・イトーヨーカ堂丸大・カミーノ古町といった大型商業施設がある。またちょっと離れた万代橋周辺(約1キロ離れている)には、伊勢丹・ショッパーズダイエーの大型商業施設と新潟ジョイポリスといった大型アミューズメント施設が存在する。
このような時代の変化に敏感に反応してきた地域は生き残っているのです。そしてこの都市の変化が、今新たな段階へと進もうとしている。
今、全国的に地域間競争が激しさを増してきている。例えば、九州では福岡市を中心に商業都市としての優位性を競っている。しかし、九州といっても広域である。福岡市から最も近い都市でも佐賀市・北九州市の40キロ(直線距離)、長崎市・熊本市・大分市の100キロ、鹿児島市・宮崎市の210キロとかなり離れている。何故こんなに周辺都市と離れているのに福岡市に対抗する必要性があるのでしょうか。実際に、福岡市の商業施設は全国レベルと比べても異様な勢いで増加し続けている。天神には三越・大丸・岩田屋などの大型再開発ビルが相次ぎオープンしている他、福岡ドームのあるシーサイドももちなどの都市化も著しい。これに対し佐賀市や長崎市などでは、県庁所在地にも関わらず人口が減少し始めている。この原因として考えられることに2つの点が挙げられる。
まず、高速交通体系の整備が進んだ点。高速道路を始め、幹線道路の整備が全国的に進んできている。例えば九州で言えば、九州自動車道・九州横断自動車道・宮崎自動車道の全線開通が挙げられる。これらを利用した都市間高速バスが普及している。また、新幹線や在来線の高速化で、都市と都市の距離感を縮めてきた。九州では、博多駅を中心に九州各県庁所在地へ特急電車が30分間隔で運行している。さらに航空旅客が増加している。福岡空港は地下鉄が乗り入れているほど市街地に隣接している為、宮崎や鹿児島からも日帰り感覚でショッピングを楽しめる。こういった高速交通体系の整備が都市間競争の激化を生んできた。
次に原因として考えられるのが、人々のライフスタイルの変化がある。特に週休2日制の普及により、人々の時間に対する余裕が著しく向上している点である。今までであれば、ちょっと遠くにいく場合、祝日を利用した1泊2日が必要であったが、現在であればこれが毎週末に設定できる。そして、この傾向は学校の完全週休2日制導入で、今後一層加速されるでしょう。つまり人々の行動範囲が、飛躍的に広範囲化するのです。これまでの県内域における都市間競争から、今後は県域・地域を超えた日本全体からアジア地域までを視野にいれた都市間競争へと移行していくのです。この事を十分に認識した都市づくりをしていかなければ、都市はますます衰退していくこととなるのです。福岡市では今「アジアの玄関」をキャッチフレーズにした政策を取っています。大きなヒントが福岡市に詰まっているのです。
また最近急増してきたものに、郊外型の商業レジャー施設がある。しかし、実際にはどれも画一的な金太郎飴的な施設ばかりになっています。大きな駐車場・大型商業スーパー・ちょっとした遊園地付き的な施設。こういった郊外型商業施設はいま転機を迎えようとしている。それは、こういった郊外型商業施設が全国的に行き渡って来たことが挙げられる。別に街のショッピングセンターに行かなくても近くに同じようなものがあれば、事足りるのです
大型の商業ゾーンを構築するには、ネームバリューの通った複数の百貨店・ファッションビル・大型DIYビルを中心にファッションストリートを意識した街づくりを検討する必要があります。またランドマーク的な超高層オフィスビル・都市型ホテル・ビジネスホテルなども必要になるでしょう。
渋谷の街が面白いのは、坂の存在と回遊性と言われています。確かに渋谷駅から商業地域を見ると109方面は見上げなければならない。これは街が大きく見えるのです。また、スペイン坂にはファッション系のショップが多い。この坂の存在がショッピングをする時の楽しみとなっているのです。ここには、東京FMのサテライトスタジオもあり、週末にはアーティストのゲストを見たくて多くの若者が集まってくるのです。そしてスペイン坂の先には集客力の高い東急ハンズ(DIYビル)・PARCO(ファッションビル)がある。街づくりを考える際には、このような大都市で成功している街を意識する必要があるのです。ちなみに金沢でもスペイン坂に習って、タテマチ通りにFM石川のサテライトスタジオが99年秋に設置された。これからの街づくりは、その規模がどれだけ大きいかに掛かっています。私の考えとしては、分散した都市づくりでは魅力あるエリアにはならないと考えます。
これから注目されるエリアとして、東京ディズニーランドのある千葉県舞浜がある。このエリアは、東京ディズニーランドを中心に大型駐車場を始め、大型ホテルが7店舗も存在する。この舞浜だが、駅前周辺に百貨店を中心とした大型の商業施設・映画館20館を有するAMCのシネコン・宝塚の常設劇場・そして第2テーマパーク「ディズニー・シー」が2001年にオープンする。これらの施設間はモノレールで結ばれ、強力なエンターティメントゾーンの誕生となる。この意味することは、今まではディズニーランドを目的にして舞浜に来ていた人が、これからはディズニーランドもある舞浜へ目的とするようになるのです。また舞浜のお隣り葛西臨海公園には、大型の水族館がある。ここにも21世紀初頭にロッテワールドとロッテデパートがオープンする。このように複数の施設が一ヶ所に集中することによって、本当の街が生まれると考えるのです。
富山市や高岡市の再開発構想にも、こういった集中型を考えてもらいたい。私自身は今後も駅周辺を中心とした街づくりがベターだと考えますが、郊外にも街を拡大する場合、いかに有機的に中心街と結びつけて大都市化を図るかを考える必要性がある。
また街は、平日でも賑やかでなければ本物とは言えません。いかに、平日でも人を呼び込むかを考えなければ、大型の都市開発は成功しないでしょう。その鍵を握るのが学生とビジネスマン。特に街を面白くするには、何と言っても若者の存在です。その若者の確保の為には、街の近郊には総合4年制大学が欲しいものです。非現実的と言われそうではあるが、東京を引き合いに出して考えてみたい。東京の山の手線沿いには、多くの大学が存在する。上野の東京大学・三田の慶応大・高田馬場の早稲田大・池袋の立教大・渋谷の青山学院などなど、この他にも大学が沢山存在する。若者達は、都会に住み、昼は大学、夜は街で遊ぶ…という生活を送っている。都会が成り立っているのは、この学生が多く存在するかどうかである。しかし、富山県の場合は、この大事な大学育成をこれまで行ってこなかったのです。都市再開発を行うのであれば、この総合4年制大学の育成は欠くことのできない事業だと感じる。
また、街に重要なのがビジネスマンとOL。アフター5以後にどれだけの人が街に出てもらえるかにかかってくる。その為、最近の都市開発にはオフィスビルは欠かせない。横浜のマイカル本牧を始め、恵比寿ガーデンプレイス・神戸ハーバーランド・浜松アクトシティ・大津西武再開発ゾーンなどエンターテイメントシティと呼ばれるエリアには必ずオフィスビルの存在があるのです。
○ エンターテイメントシティの誘致
最近全国で、エンターテイメントシティと呼ばれるエリアが、次々に誕生している。
神戸ハーバーランド、恵比寿ガーデンプレイス、大阪アメニティパーク、キャナルシティ博多、タカシマヤタイムズスクエアなどが著名だが、これからは、全国でこう言ったエンターテイメントシティが生まれて来るだろう。勿論、中途半端な施設や物まね的エンターテイメントシティは、間違いなく失敗する。
キャナルシティ博多は完全な民間デベロッパーで行われた事で、特に注目を集めている。規模が巨大で、しかもその質が高い。運河をモチーフにした水辺のある街づくり、照明ひとつとっても異国情緒を醸し出している。街では大道芸人が街行く人の目を楽しませ、九州各地から人が集まる。ショッピングモール・専門店モール・グランドハイヤットホテル・ワシントンホテル・劇団四季の劇場・AMCのシネマコンプレックス・ジョイポリス・各種ショールーム・オフィスビルなどなど、あらゆる施設がこの街にはある。街をデザインしたのは米国のデザイナー、ジョン・ジャーディ氏。彼は、ロサンゼルス五輪・ボートンプラザをデザインしている。まさに、レベルの違う街づくりである。
こういった巨大な街づくりが、もし金沢で今後行われたら、隣接都市の高岡市や富山市そして富山県は終わってしまう。九州で、現在福岡が独り勝ちしている状態が、北陸でもおこりうるのです。
富山県は金沢の独走を止めなくてはなりません。その為には、金沢と同じレベルのことをしていては勝てません。東京やその他大都市レベルの事をやっていかなくては勝てないのです。とかく富山県は中途半端な街づくりをします。最近行われた再開発(マリエ富山・CIC・御旅屋セリオ・高岡クレビなど)をみても、金沢の商業施設と比べると規模・内容ともに、やっぱり見劣りしてしまう。
富山の商業施設のどこが良くないのか?それは、街づくりのコンセプトにあると思う。富山の場合、商業施設の面積をある程度確保したとしても、その中身は、お店を並べる事に力をいれるが、お客さんに街をどう見せるか、楽しんでもらうかといった空間づくりは弱いようだ。金沢の場合は、百番街・ポルテ金沢・香林坊アトリオ・タテマチなどを見てもらえばわかるように、空間が楽しい街づくりを心掛けている。これはエンターテイメントシティにつながる考え方なのです。
○ 富山市街地活性化策
富山市の街を面白くするためには、どうしたら良いだろうか?
東京・渋谷。この街は、日本の最先端を行く街である。いつも、街の表情が変化していき、新しいものが、いつも揃っている。この街をここまで面白くしてきたのが、東急・西武戦争といわれる大手流通企業の力である。東急は渋谷に、百貨店を2店舗・ファッションビルを4店舗・大型雑貨DIY店(東急ハンズ)・映画館ビル・飲食店ビルがある。一方西武も、競うように百貨店を2店舗・ファッションビルを4店舗・大型雑貨DIY店(西武ロフト)・飲食店ビルがある。渋谷はこの2大勢力に、丸井を加えた最先端流通企業で支えられている。
富山も、ライバルとなる2大企業の競争を生み出すことで、発展を画策したいものです。現在、富山駅前には東急エクセルホテルがある。一方、総曲輪には西武百貨店がある。この状態を発展していき、駅前は東急系+α、総曲輪は西武系+αという対決を富山にも作りだし、刺激的な街づくりを目指したい。
地元資本で東急系の開発会社をフランチャイルズ(富山東急)をつくることも検討できるでしょう。この企業が駅前の東急エキセルホテルや、東急ハンズを誘致する。また現在のファッションビルCICを東急系『109』(中央通りのトヤマ109を移転)として運営する。この他に、駅前に絶対必要なのが、百貨店。駅前に百貨店があるかないかは、おおきな違いです。新興商業地域に相応しい百貨店として、ヤングアダルト層に人気が高い『伊勢丹百貨店』の誘致を図りたいものです。こちらも地元資本によるフランチャイルズ的な店舗であれば、実現性が高くなると考えます。
西武の方は、現在の百貨店を、総曲輪通りを挟んだ向かい側に新築移転し、今の店舗を西武ロフトに改装する。この2つの店舗を地下と3階〜8階を連絡道で結び、総曲輪通りのゲート的なものにする。有楽町マリオンを想像してもらうと良いでしょう。また大和の移転跡地には、西武系のファッションビル『PARCO』と西武鉄道系の『プリンスホテル』を誘致する。総曲輪に移転新築が決まった『大和』とともに強力な商業地帯を目指す必要がある。
また、富山を面白くするためには、夜を面白くする必要がある。金沢・片町は、夜の繁華街として有名であるが、この街は週末は勿論、平日でも深夜3時すぎまで人で溢れている。一方、富山の場合は、週末でも夜9時には人通りがなくなってしまう。これを変えていくためには、夜の繁華街の育成が必要である。特に言える事は、富山の場合、桜木町をはじめ夜の繁華街が路地裏にあること。その為、余所から来た方などは、街がないと感じてしまう。これをまず改善する必要がある。夜の繁華街を桜木町に隣接した荒町の交差点に徐々に拡大していく。大通りに面した形で夜の繁華街があるほうが、明るい街に見えるものである。また、夜の街を賑やかにするには、夜更かしが特権の若者人口や大学生をいかに増やしていくかが課題になるでしょう。さらに、中央出先機関に代表される管理職や営業系の人口増加も大きな課題だと感じます。
富山には、ランドマークタワー的な超高層ビル(高さ200メートル以上)が存在しません。遠いところから来るお客さんが、目標となるようなタワービルの建設は重要です。お客さんやそこに住む人々に対し、街や都会を意識させるようなインパクトを与える象徴物が、この街には必要なのです。現実問題としてオフィス単体の超高層ビルは、富山では難しい為、オフィス・ホテル・商業施設を兼ね合わせた複合型超高層ビル(40階以上)の実現を目指します。建設候補地としては富山駅東側の地鉄ゴールデンボールと総曲輪通り(市民プラザ側周辺)の2カ所での整備ができれば理想的ではないかと考えます。
○ 高岡市街地活性化策
高岡の街を考える場合、都市間競争の真った中にある事を、いつも意識する必要がある。つまり、隣接都市に既にあるような物をつくっても、お客は来ないのである。ですから、金沢や富山に無い物をつくる必要がある。マイカル高岡がオープンした際は、北陸で唯一のワーナーマイカルシネマズを設置したことが呼び水となって、金沢や富山からお客を呼ぶことに成功した。マイカルに代表されるように、魅力的で金沢や富山に無い流通企業を誘致する必要がある。その魅力的な企業に、丸井百貨店があると思う。
東京で、丸井の名前を知らない人はいないでしょう。丸井は、百貨店という名称を使ってはいるものの、ファッション性の高い大型店として、特に若者に圧倒的な人気を誇っている。ご存知な方も多いと思うが、この丸井の創業者は高岡出身の青井さんである。高岡工芸高校に青井記念館があるが、これは青井さんが寄贈したものである。まずは、この丸井を誘致し、更にプランタン百貨店(ダイエー系)、ラフォーレ原宿(森ビル系)、VIVRE(マイカル系)といった若者に名の知れたファッション系企業の誘致を図り、高岡はもとより富山・金沢から若者を呼び込むのです。これら大手企業は、魅力ある都市でなければ進出してくれません。その気にさせるには説得力(マーケティングによる裏付け)が無いと駄目なのです。高岡は、立地条件的には100万都市(富山・金沢・高岡の人口を足すと)の中心に位置しており、北陸で一番良い立地条件を備えた都市だと言えます。この事をベースに、高速道路網も整備や歴史遺産を中心とした観光面を含めて、もっと高岡の商圏力を売り込む必要があるのではないでしょうか。
また、夜の繁華街についても、富山と同等なことが言える。高岡の夜の繁華街は桐木町であるが、やはり路地裏にある。これを、隣接する下関交差点周辺に移してくるのです。そして下関交差点を、桜の馬場交差点と名称を変更して夜の繁華街として育成します。やはり風情のある名称に変更する方が、人を呼び込みやすいものです。更に、すえひろーどのアーケードは、夜9時を過ぎると照明が消えてしまいます。とても暗く寂しい街になります。この改善も重要でしょう。
富山と同様、高岡の場合も街の目標物となるランドマークタワーが無い。もっとも、ランドマークどころか高層ビル(高さ100メートル以上)すらないのが実状である。現状では、高岡は都市とはいえないでしょう。能越自動車道をはじめ、各幹線道路から目標として見える摩天楼があれば高岡のイメージは大きく変わるのは間違いない。
高岡市の場合、集客能力を上げるには、豊富な観光資源の活用も重要である。98年、国宝に指定された瑞龍寺や金屋町をはじめとする歴史的建築施設、御車山まつり・七夕まつりといった伝統的イベントをもっと前面に押し出す必要がある。つまり隣県にもっとコマーシャルを打っていく事が重要なのです。石川県の人達は、高岡にこれだけの歴史的遺産やお祭りがあることを全く知らないのです。これは、県内向けには広告やPR活動を積極的に行うのに対して県外の石川県・岐阜県・新潟県には宣伝活動を行ってこなかったことによるものだと考える。今後、御車山まつり・七夕まつりは積極的に県外(まずは石川県・岐阜県・新潟県)向けTVコマーシャルを打ち、観光面においては県外(石川県・岐阜県・新潟県)の中学生(一年生クラス)を対象にした修学小旅行の誘致を図る必要がある。更にドライブ感覚で遠方から来てもらう為にも、二上山や雨晴海岸の整備は大きな意味を持ってくるのです。例えば万葉ラインは、もっと見晴らしの良いように整備を図り、展望レストラン群などを誘致する。海側には第2万葉ラインを建設して、リゾート系ホテル・港の見える丘公園・ロープウェイなどを整備する。遠方からのお客さんが、高岡の観光施設やドライビングコースを楽しみ、中心商業エリアで高岡でしか味わえないショッピングをして、夜遅くまで賑やかな繁華街を満喫する。
このように高岡は、ドライビング・エンターテイメントシティを目指します。
○ 人が溢れる駅前創造
人が多く行き交う駅前。この駅前をいかに賑やかにするか、これは重要な課題です。その為には、人を呼び込みやすい雰囲気をつくること。例えば、東京でいえば、新宿駅アルタ前や渋谷駅109ー2前(ハチ公前)。言わずと知れた待ち合わせの場所である。この二ヶ所には、巨大な街頭スクリーンがある。人々はこういった賑やかな場所に集まってくるのです。富山駅前(CICビル)や高岡駅前(駅舎ビル)にも大型スクリーンの設置が必要だと感じる。現在、富山のCICビルには小型の映像スクリーンが有るが、これを大型スクリーン(現在の4倍程度の大きさ)に変更してもらえるよう検討したい。またこの際には、現在、駅前で行われている街頭音声広告放送を取りやめ、映像とリンクした放送へ発展させる必要がある。
この他にも、街の田舎臭さを解消することが大切だ。例えばアーケード。これも田舎臭さの代表ではないだろうか。特に商店街を覆うフルアーケードは、日光を遮り暗いイメージを街に与えてしまう。全国でおしゃれな街と言われる商業地には、一つもフルアーケードは無い。東京の銀座・渋谷・新宿・池袋・原宿・恵比寿、横浜の駅前・関内などは、アーケードすら無い。勿論、富山は雪国であり、アーケードの必要性も考えられる。しかし現実として、金沢のタテマチなどではアーケード無しで、ある程度成功している所もある。今一度、富山の街づくりを考える際、アーケードの必要性の有無を再検討しなければならないのではないだろうか。
7、新しい時代に向けて!!
○ 発展への選択
地方の時代と言われながら、地方自治が発展してこなかった20世紀。しかし、その流れは21世紀に向け、大きく変わろうとしています。石原東京都知事が打ち出した「外形標準課税」、北川三重県知事の「原発設置の白紙撤回」、堀北海道知事の「時のアセスメント」、橋本高知県知事の「逆公共事業」など、これまでの地方行政では考えられなかった大胆な行動が、極当たり前になりつつある。
しかしこの流れは、北陸までは、およんでいない。大胆な発想と行動力。富山県庁をはじめ多くの自治体でも、早く取り組んで欲しいものです。例えば高岡市などは、思い切った行動を取る必要がある。
高岡市は、現状ではこれ以上の発展が望めない。特に富山県の支援は、富山市に集中している。
富山県は、富山市の問題には、「県都」であるからと言って積極的に取り組むが、高岡市の場合は「地元の適性な判断にまかせる」と言う。つまり、何かやりたければ、自分たちでやりなさい的な考えである。新幹線の高岡駅問題でも、地元の判断にまかせると言いながら、現駅併設に傾くと知事をはじめ県庁自体が否定的な意見を述べて、実質的には半強制的に分離駅へと決定させた。
富山県の場合、新幹線の駅が在来線に乗り入れるのは富山市だけ。高岡市や黒部市は分離駅となっている。北陸新幹線ルートで、このような分離駅政策を取っているのは、富山県だけである。長野県では全4駅、新潟県では全2駅、石川県では全3駅、福井県では3駅が、在来線の主要駅に乗り入れることになっている。在来線から分離されるのは、富山県の2駅と福井県の嶺南駅だけである。しかし嶺南駅も、嶺南地区の経済を2分する鯖江市と武生市の中間に設置されることから、実質地元に配慮した駅となっているのです。
更に在来線はJRから分離され、各県が経営する第3セクター鉄道となることから、富山県のように、新幹線が分離駅になった場合、その利便性の悪さでアクセス需要が見込めなくなり、第3セクター鉄道の経営を圧迫することが予想される。このような事からも、富山県の取った分離駅政策は、奇異なものではなかっただろうか。
また20年前からその必要性が言われていたJR高岡駅の連続立体高架化は、今だに具体化していない。その理由として言われているのは、県都富山市でさえやっていない駅の高架化を、高岡市がやるのはおかしい言う意見である。ところが多額の予算を割いて南北一体化が進めてきたJR富山駅では、なぜか今、連続立体高架化事業を行おうとしている。
更に高岡市を走る万葉線の存続問題に関しても、「地元の判断を待つ」として、県は何も行おうとはしていない状況である。このままいけば、廃線という二文字が待っている。
富山市側では、かねてから「高岡市が無ければ、富山市はもっと発展していた」という向きをされる方が、根強くいる。しかし、高岡市が衰退し無くなった場合、本当に富山市や富山県は発展するだろうか。おそらく高岡市の衰退分は、その多くが金沢市に吸収されるのではないだろうか。
○ 呉西・呉東分離構想
高岡市をはじめ、富山県・富山市の発展の為には、東西の垣根を越えた大型市町村合併がベストだと考えます。しかし、その垣根が取れずに、現状の県政が続くようであれば、高岡市は思い切った行動に出ることも、検討して欲しいものである。
例えば、高岡市を中心とした呉西地区が、富山県から離れて石川県に編入する。もともと富山県は、呉西と滑川以北が加賀藩、呉東(滑川以北を除く)は富山藩であったことから、呉西地区と石川県が一緒になって江戸時代に戻ったとしても、別段不思議なことでは無いと思います。特に近年は呉西地区と金沢市の結びつきが強くなっており、金沢の経済圏になりつつある。また高岡市が、富山県ではなく石川県に入るメリットとしては、金沢からある程度距離があることで、現状より独自性が保て、存在価値を高めることができる点がある。石川県にとっても、呉西地区が編入されると県の人口が170万人となり、地方主要県に対抗できるようになるメリットが出てくる。富山県は人口65万人となるが、鳥取県の61万人より人口は多くあり、存続できると考えます。
とにかく、高岡市は何か行動を起こさないといけません。このままでは、絶滅危惧都市になる可能性が高いのですから。
○ 環境立県
98年12月に、京都で地球温暖化防止会議が開催された。これをきっかけに、社会の中でも環境問題が大きく扱われるようになってきている。しかし、日本は大量生産消費社会にどっぷりと浸かってしまっており、なかなか環境社会への意識改革が進んでいないのが実情である。だが環境悪化は地球レベルで深刻であり、生活に身近なところ、目でみえるところでの影響が出始めている。これは、今まで環境に対する政策を、後回しにしてきた付けが今大きくのしかかってきたと言えるだろう。環境配慮は多額の資金が掛かる為、非生産的とされ、企業をはじめ、われわれ自身も目を背けてきたことに、今あらためて反省する必要に迫られている。
しかし現実問題として、まだまだ環境改善への取り組みは始まったばかり、多くの課題を抱えている。特に環境に配慮したライフスタイルへの意識改革は非常に難しいものがある。つまり無駄遣いをしない・ゴミを減らす・完全なリサイクル社会の実現など、資本主義社会を支えてきた現在の企業やシステムを作りなおす事となり、変化を嫌う日本の習慣に馴染まない事に対してこれから取り組む必要があるからである。
ヨーロッパ、取り分けドイツの環境に対する取り組みは有名になってきている。徹底した環境監視システム・環境規制・リサイクルの徹底・環境保護の為の技術開発が進んでいる。一見地味な取り組みのように見えるが、ドイツ国民の意識改革は着実に進んでおり、また環境問題から発生した新しい経済活動や産業も生まれようとしている。つまり、新しい取り組みを早く行えば、21世紀の新しい社会で優位に立てるのは間違いない。
富山県も環境問題で積極的な取り組みをする必要がある。そして、日本における環境立県・オピニオンリーダーを目指し、環境関係の企業を育てるのです。
<環境配慮の施策>
・ゴミ処理場を現在の焼却型からリサイクル型(非焼却型)へ変更する。富山広域地区では、ゴミ処分場立て替えを、当初予定していた焼却型から変更し、リサイクル型(非焼却型)にする事を検討しはじめているが、この取り組みを他の地域に拡大する。高岡広域地区でのゴミ処分場立て替えが迫っているが、これも大胆に計画変更する必要がある。こういった取り組みで、CO2排出削減とダイオキシン対策を図る。この取り組みは、県民にゴミの徹底的な分別を求める事になり、県民の意識改革が要求される。
・中心市街地への車乗り入れ規制を進める。鉄道を中心とした公共交通機関の充実と郊外に大型の駐車場を建設を進め、郊外に車を止め、鉄道で市街地に来るパークアンドライドシステムを押し進める。これにより、渋滞によるCO2排出規制を図る。勿論、市街地が魅力的でなければ意味がないし、鉄道網の整備も重要である。
・環境に対する新しい技術開発を目指す為にも、公的な研究機関の誘致充実を図り、環境関係の民間企業を育成する。
・県庁をはじめ公的機関での公用車を電気自動車・ハイブリットカーに徐々に移行する。また、公的機関として環境監視機関を設け、各企業の廃棄物・排煙の監視・指導を行う。できれば条例規制も厳しくしていく。
ドイツの環境問題に取り組み姿勢や考え方を学び、参考にする必要がある。そしてこのような積極的な取り組みが、21世紀の富山県の財産になると確信します。そして真の環境立県になると思います。
○ 危機管理機能の充実
阪神淡路大震災が記憶に新しいところであるが、相変わらずこの国は危機管理能力が弱いようだ。緊急時の適切な判断・行動・処置が行えない。これは、危機管理というものに対する認識の薄さと、この問題に対する知識人や研究機関が不足していることが挙げられる。新しい時代に向けて、富山県ではこの問題に積極的に取り組む必要があるだろう。特に欧米並みの取り組みは最低限必要だと感じる。
富山県は災害が少ないといわれているが、地球上で絶対安全なところはありません。富山県は海や山に囲まれており、水害や崖崩れの災害も想定できるし、かつて大地震もあった。また、北アルプスも噴火した形跡もある。いつ何が起こってもおかしくないのです。富山県はこれら災害が発生した際、果たして適切な対処が行えるだろうか。これら災害に備えて、専門の機関を設置する必要性を感じる。
設置するのは、危機管理局と危機管理災害研究所。危機管理局は、県内に災害が発生した際には、この局を中心に警察・消防・各公共機関を統括しあらゆる対処を実行できるようするものです。アメリカでは実際に導入されている部局(危機管理局=FEMA)であり、富山県でも全国に先駆けて設置を目指す必要がある。危機管理局は、住民に多大な被害が起きそうな時に、すべての公共機関が指揮できる権限があり、敏速な対応が行えるようになっている。また、災害復旧に関しても、予算の特別枠も持っており事後承諾で積極的に災害復旧を進めることができる制度です。
危機管理災害研究所は、災害対処の方法・地質学の研究・危機管理のあり方等を研究する機関として、単独あるいは県立大学内に設置します。
これら富山県の危機管理局を、『サンダーバートチーム』という愛称とマスコットキャラクターをつけて、県民への浸透と愛着を持てるような取り組みを行います。
われわれの生活を守る為にもこの部局の設置は大きな意味を持つと思います。
○ ベンチャー企業育成
金融機関の大型破産が相次ぎ、景気後退が深刻な状況になってきた。富山県はもともと大きな企業が多いわけだが、日本全体の景気後退も大きく富山の企業に影響を与えている。しかし21世紀までには、新しい発展の為に立ち上がる必要がある。その為には、経済分析・情報収集・国際動向を今の内に蓄積・研究することが重要になると考えます。いわゆるシンクタンクの充実であるが、富山県にはまだシンクタンク機能が十分とは言えない。特に経済・経営・商業の研究者やエコノミストが不足している。公的シンクタンクや民間シンクタンクの積極的展開が、今求められている。
またベンチャー企業も、なかなか富山では育ってきていない点が気に掛かる。お隣り石川県では、コンピューターメーカーの躍進が目立ってきた。アイ・オー・データ(コンピューター周辺機器)、ナナオ(コンピューター用ディスプレイ)、PFU(コンピューター関連機器)など、将来有望な中堅企業が育ってきている。また、北陸先端大学院大学とNTTの研究施設がある辰口には、コンピューター関連企業や研究施設の立地が進んでいる。
富山では、もともと起業家精神が旺盛のはずです。ところがこの10年ばかり新たな企業が生まれていない。10年後・20年後を目標とし、いかにベンチャー企業を育てていくかを研究する必要がある。その大きなキーワードは、やはり優れた人材をいかに育てるかになるだろう。これは頭がいい人を育てるというより、発想力の豊かな人材をいかに育てるかになると思う。またベンチャーキャピタル機能を充実する必要もある。現在、銀行などでは貸し渋り状況が浸透してしまったが、リスクが伴うベンチャーキャピタルを専門に行う民間企業や公的機関の整備が大事である。今までの考え方を大きく変革する時代に入ったのです。そしてその糸口は、アメリカのシステムを学び、参考にすることなのだと思います。その為に、ベンチャービジネスを育てる研究所・シンクタンク等を整備する必要があるでしょう。そして15年後には、世界企業を10社育てるという積極的な目標を立てても良いのではないだろうか。
○ JR北陸の誘致
国鉄が分割されて全国に日本旅客鉄道株式会社(JR)が開業したが、その中に「JR北陸」という名前はなかった。もし「JR北陸」があればというのが、いまの状況です。
長野新幹線が開業し、在来線は長野県が主体となる第3セクター線となった。北陸新幹線が開業した場合も、支線を含めた在来線の大部分が第3セクター線になる予定である。これではおいしいところだけJR、まずいところは地元ということで、とてもJRは地域密着とは言えない。この際、JR東日本とJR西日本、それに国・関係各自治体が出資した「JR北陸」の設立か、いっそのこと各県別でつくる第3セクターを一本化して、北信越をまたいだ第3セクター「JR北陸」を設立し、北信越にあるすべてのJR線を引き取り、新幹線(北陸新幹線・上越新幹線・中央新幹線の一部)に関しても、経営を引き取っても良いのではないだろうか。
JR北陸(北信越)が実現する際には、JRグループの北陸(北信越)ジェイ・アール・バスの設置も必要になるでしょう。現在北進越でジェイ・アール・バスがあるのは、西日本の金沢と東日本の新潟です。これらを統括して北陸(北信越)ジェイ・アール・バスを設置します。
富山には、現在残念ながらジェイ・アール・バスの事業所は無い。一方、金沢ではジェイ・アール・バスが非常に強い。もともと金沢は路線バスが充実しているのだが、これを支えているのは北陸鉄道バスとジェイ・アール・バスが競っている為だともいえる。特に北陸鉄道バスは、路線バスの運行本数の多さや最終バスが深夜0時近くまで設定されているなど、非常に便利になっている。更に以前から乗車口が広くて低床式の都市型バスを大量導入している他、最近ではハイブリットバスや超低床式バス(ノンステップバス・ワンステップバス)を導入するなど、きわめて先進的な取り組みを行っているのです。街を走っているバスを見るだけでも、その都市のレベルがわかってしまうもの、金沢に比べると富山や高岡の街を走るバスは余りにもお粗末と言わざるを得ないでしょう。また北陸鉄道バスとジェイ・アール・バスは、都市間高速バスでも競い合っている。現在金沢市を起点として、仙台・新潟・千葉(東京ディズニーランド)・東京・横浜・八王子・松本・名古屋・京都・福岡に路線を開設している。富山市が東京・大阪の路線しかないのに比べると大きなアドバンテージを取っているのです。更に金沢では、旧市街地と新市街地を循環する市営のコミュニティーバス(北陸鉄道に運行委託)を運行している。お年寄りや弱者をターゲットとした福祉型と狭い道やアーケード街を走ることによる市街地活性化を目的としている。一律100円という安さや、おしゃれにデザインされた小型のノンステップバスを使用したことによって、かなりの乗客が確保されている。収支に関しても、当初から赤字を想定していたが、予測範囲内の赤字に収まっている。
今後、富山県でもバス路線の再興を図る為に、北陸(北信越)ジェイ・アール・バスの設置、その本社機能を富山に誘致することで、路線展開をはじめ観光部門など多彩なバス運行を認めていくことが大事になると考えます。
○ 県事務所(営業所)の拡充
高速交通網やグローバル化により、全国的な交流時代へ入ってきた。これは、富山県人が全国に散らばっていることを意味する。これまでは、中央集権国家ということもあり、東京にばかり目を奪われていたが、今後は、全国そして世界へ目を向けていく必要がある。富山県の県外機関として、東京事務所があるが、今後は規模は小さくても全国・海外に県事務所を設ける必要があろう。その候補地として、北海道(札幌市)・東北(仙台市)・東海(名古屋市)・関西(大阪市)・中国四国(広島市)九州沖縄(福岡市)・韓国(ソウル市)・中国(大連市)・ロシア(ウラジオストック市)・アジア(香港市)・米国(ロサンゼルス市)を挙げたい。また、東京事務所も首都圏事務所とすることで、関東一円のエリアを担当する。主な業務としては、県人及び県内企業の活動支援・企業誘致(優良企業やベンチャー企業の誘致)・富山県の観光PR活動(アンテナショップや定期的な富山県物産展の開催)・県内大学のPR活動(学生誘致)・Iターン(労働力確保)・留学生支援・各地域の行政経済情報収集などを目的とする。
このような出先機関は、全国的に見ても少ないが、うまく活用すれば、富山県にとって協力な武器になることは間違いない。また、県職員のレベルアップにもつながると考える。
○ 世界の中の富山
富山県は国際都市を目指してきた。国際便の就航・姉妹都市の締結など人的交流が進んできている。富山県の企業が、海外に進出していくケースも増えてきている。富山は着実に国際都市へと進んでいるように見える。しかし、問題点がないわけではない。富山への外資系企業進出が全くない点・世界レベルでの富山の知名度が低い点など取り組むべき事は多いのではないだろうか。特に、外資系企業が少ないのは、富山が田舎で知名度が無いためと言える。今後、外資系企業進出をいかに増やしていくか。外資系企業が増えれば、県内企業に与える刺激や影響も大きいと考える。特にアメリカやヨーロッパの企業を誘致することで、そこからいろんなことが学べるのではないだろうか。
富山が世界で知名度を上げる為には、世界のモデルケースになる必要がある。いわゆる『富山式』的なものを増やしていくのです。今現在、『富山式』というものはあらゆる分野を見渡してみても存在しない。つまりオリジナリティが無いのです。これは、日本自体が抱える傾向でもある。しかしその分、富山でオリジナリティの高い『富山式』という物が生まれてくれば、富山は世界でも知名度が上がると考える。やはり、これを実現していくのも人材づくりから始まるのだと感じます。これからは、教育県富山の本領発揮が期待されるところである。
○ 政策力ある県政を…
これまで地方自治は、国政に準じた政策が中心であった。これは、国民の税金が中央に集中しているため、各自治体は中央の権限に従わなければならない構造が有るため。現状、各自治体が自由な発想のもと、オリジナルティある政策ができないと言える。これは今もつづいている。しかし、自由ある発想の政策はやろうと思えば、現在でも十分可能であり、実際多くの自治体でも取り組んでいる。これは、『富山式』に繋がるものだが、富山が21世紀に大きく飛躍する為には、柔軟性ある政策が自由に討議できる環境が必要なのではないだろうか。これは、県庁内部は勿論、県民単位でも実現していかねばならない。実際問題として、何処の県庁でも縦割り行政であり、職員は知事や上役の目を気にしたり機嫌取りに走ってしまう傾向にある。もちろん知事は県民を代表するリーダーシップを発揮してもらいたいのだが、幅広く意見を聞く姿勢やその為の環境づくりにも努めてもらいたい。これを両立するのは非常に難しいのだが、必ず隠れたアイデアや政策が埋もれていると思う。県職員をはじめ県民が、県政を積極的に討議する時代になれば、富山県は新たな時代にはいるものと考える。
さらに県政が取り組む必要性があるのは、健全財政の実現である。この実現の為には、事業の健全経営化が必要である。例えば、エージェンシー化(公社化・第3セクター化)・民間委託・民営化があげられる。儲かっている事業であれば民営化を図る。すでに民間業者が、同様のサービスを行っている事業であれば、事業法人の売却化や民間委託を行う。各市町村単位にある都市ガス事業などは、検討できるのではないだろうか。また、公共施設などで検討したいのがエージェンシー化。富山県のコンサートホールや会館の設置率は、全国比率よりかなり高い。税金の無駄として、中央のメディアでも取りあげられたほどであるが、これらホールの採算性を上げる為にエージェンシー化を図る必要がある。また、美術館・博物館・図書館が多いのも気になる点。果たしてどれくらいの人が訪れ、それだけ地域のために役だったかチェックする機能が今後求められるだろう。金太郎飴的な施設や同じようなものがいくつもあっても仕方ないのです。この他に歳出の多くを占めるものとして、道路建設を中心とした公共事業が挙げられる。必要なところをいかにして絞り込んでいくかが重要となる。例えば、富山駅前のプールバール。全長約1キロを幅員60メートル(4車線)の公園型道路が間もなく開通するのだが、その先およそ2キロの道路は現状のままの2車線道路。これでは、十分な交通体系には結びつかない。何とかこの間を4車線にする必要がある。そこでだが、この間の両側に用水があり、これに蓋をして歩道とする。そして現在の歩道を車道にすることで4車線が可能となると考える。新たな用地買収が掛からない点で予算的メリットがある。また高岡では、能越自動車道の高岡北インターと中心市街地を結ぶ道路計画が具体化していない。氷見方面の国道160号線からは、高岡北インターまで4車線のアクセス道路を建設中であるが、もともと高岡北インターを利用する人は、氷見・能登方面から高岡市街地に向かう方々が中心となる。つまりこのアクセス道路では意味をあまりなさないのです。そこで高岡駅から美幸町までの駅前4車線道路(都市計画道路高岡駅佐加野線)を延長して、高岡北インターまで伸ばす必要があると感じます。そして160号線からのアクセス道路と直結して氷見方面へ抜けるのです。こうして始めて高岡北インターが機能すると思います。このように有効な道路構想をもう一度、練り上げる必要性があると考えます。
現在(1999年)、県債は7400億円。一年間だけでも、400億円増えている。大変な金額です。今後、徹底した歳出見直しと事業見直しが行える県政のシステム化が必要になると考えます。勿論、これまで述べてきた各種施策の推進も重要であり、いかにお金を掛けず大胆に変革を行うか知恵を絞る時代だと感じます。とりわけ市町村合併は、予算の効率化や民間資本を呼び込める効果があり有効である。特に新星市と環状鉄道建設だけでもかなりの経済効果が期待できるでしょう。大都市のように、放っておいても街が民間の力で発展していく状況をつくれるようになると思います。県や財界で合併に向けた積極的な取り組みが生まれてくることを期待したいものです。
このように、少しでも無駄をなくし効率をあげることは、決して公共性に反していない。税金の有効利用を真剣に考える必要が、今求められているのです。
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